ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 真空パック〜参照700突破!?〜 ( No.262 )
日時: 2011/01/30 14:01
名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
参照: お久し振りです、皆さん。

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「---------------------あーあ…因幡ってばダメだなーぁ。 あの子は暴走がホントに半端無いから、て注意したのにねー」
1人の白衣姿の男が、赤に染まった白衣の男、碑稲城 因幡を見て苦笑する。
「……まぁ過ぎたコトは仕方ないや。
で、リアルだったっけ、この子は」
それからその隣で安らかに眠っている少女を見る。
「…あー、故障、てわけじゃ、無いみたいだねー。 んじゃ———、



連れて帰りますかっと」




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「ねぇ龍緋クン。 アタシはね、思うの」
「何を?」
「もし突然、アナタが“能力”を使って、アタシを負かしちゃうんじゃないか、て」
「“能力”? 何ソレ。オレはそんなの知らない、オレは普通の「普通じゃないから人間じゃ普通出来ないこと出来るんでしょ?
あの湖をジャンプだけで飛び越えられるとかさぁ」

ナイフをカタン、と地面に置いて、レーナは淡々と語り続ける。
「アナタは自分の意志で動いてる。 だからなのよ、解るでしょ?
-----------------------------“破壊神”」
「オレは自分の意志で動いてなんかないっ!!!!! しかも何だよ破壊神って!?まるでそれはオレが宇宙を滅ぼすみたいな言い方…っ」
ナイフをレーナの心臓に向けて、龍緋は一粒の涙を流す。
「違う違う違う違う違う違う違う違うッッ!! オレはそんなんじゃない!知らないんだよ、身体が勝手に動くんだよ……っ…。 なぁ、なぁ…オレは…-----------オレじゃ、ないのか…?」

———嗚呼、知ってるこの感覚。
———自分が望んでもいないのに、自分が動くようなこの感覚。
———オレの身体に、何か住み着いてんのかな。



泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて泣いて---------------------

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ」

———叫び、狂う。



「っ…まさか……本当に…!?」「レーナこっちだ、はやくこい!!」

龍緋のいる場所は黒い渦が舞い上がり、周りにあるもの全てを包み、渦の中へと飲み込む。


「どうして…? 龍は、死ぬの? 龍は助からないの? 龍は壊れちゃったの?」
いつの間にか亜利江を引っ込めた亜呂江が、唖然とした顔でその渦の中心にいる龍緋を見、誰にでもなく言う。
「龍が死ぬなら私も一緒に死ぬよ、龍は私の大事な人だから、失っちゃ駄目だから。 今行くから、待ってて、待っててね、龍--------------」