ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 真空パック〜参照800って、え!?ちょ((〜 ( No.278 )
日時: 2011/02/25 00:53
名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
参照: 山積みの宿題を一瞬で片付ける魔法無いかな…

8パックめ◆瞳に残る陽炎【かげろう】は◆


———とある病院。

「えっとーぉ、何コレどーすんの?」

そこで1人の男が、まるで算数の解らない小学生のような仕草で、顔でそのロボット———リアルを見る。

病院、といっても待合室か何かのようで、病室ではなさそうな雰囲気だ。 1つ小さなベッドが置いてあるだけの、そう多分待合室的な何か。

そのベッドの上にリアルを寝転がせて、彼女のプログラムをあーだこーだしているのは碑稲城 稲富———碑稲城 因幡の父親であり、昔亜呂江と亜利江の父親(偽)をもしていた謎だらけの男である。

「うーん、少し休憩にしよっと」
マイペースなところは息子が父に似た為であろう。
その眼鏡をベッドの空いたスペースに静かに置き、違う部屋から丸い薄ピンク色の椅子を持ってきて座る。

「あ、そーゆえば…因幡の死体埋めるの忘れたままあの研究所焼いちゃった。 まあいっか」
とことんマイペースかつ最悪な独り言発言をして、
「ねぇねぇ衣世ちゃーん」「何? 今忙しい」
自信の妻の名を呼ぶ。

「衣世ちゃんコーヒー持ってきて」
ナース服を着てマスクをつけた短髪の美女が、その部屋を覆っているカーテンをめくり、現れた。
紙コップを持って。
「どうせそう言うだろうと思って持ってきてあげた。 感謝して。 じゃあね」
そう告げるとまた忙しそうに、ナースシューズをぺたぺた言わしながら走って行く。
「うーん、やっぱり衣世ちゃんは最高だね、僕の宇宙一大好きな人だよ」
そう言いながら彼女が持ってきてくれたブラックコーヒーを口にして、眼鏡を再び掛ける。

「さてじゃあ一服したことだし———リアルちゃん生き返らそっかなー」
風が少し吹く真昼間。
まだまだ彼の至福の時間は終わりそうにないようだ。




                           &




『龍くん、もう少しで逢えると思う。 好きだ、好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ。 愛している、て此処で今叫んだら———龍くんは飛んできてくれるか?』
両手を大空に拡げ———そこでどさりと地面に倒れ込むキルメリア。

『———嗚呼、もう…疲れた。 でも私は、龍くんに逢いたい。 あああああ、逢いたい逢いたい逢いたい逢いたい逢いたい。 龍くん龍くん龍くん龍くん、助けて、迎えにきて------------------』

まるで迷子になった子供が泣いて母親を求めるように、そのボロボロになり血で赤く染め上げられたドレスに顔をうずくめる。 汚れることなどどうでもいいようで。
ただ狂ってしまわないように、彼の名前を、彼への想いをずっとずっと呟き続けて。

『逢いたい逢いたい逢いたい逢いた----------------------------------------------』