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Re: 真空パック〜参照800って、え!?ちょ((〜 ( No.283 )
日時: 2011/03/05 19:43
名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
参照: テスト2つの意味で終わったんだぜ!!←

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「いくな!!」
龍緋に近付こうとした亜呂江を、必死に止めるヴェアナ。
「何で? だって龍と私はいつでも一緒にいるの!龍が死ぬなら私も死ぬの。 ただそれだけのことなのっ」
家が音を立てて崩れる中、レーナが1歩前に出て言った。

「あるわよ? 龍緋クンを死なせない方法が。 アンタ達2人を生かしておける方法が」「レーナ!?」
そんな彼女の発言に異様なほどに驚いて、ヴェアナは彼女を見る。
「なにいってるんだ!!レーナはしぬきか!?」「そうよ?」
そんな問いに、真顔で即答するレーナ。
「だってどうせアタシ達———終わりじゃない。 解ってたことでしょ?
いつかは———死ぬ、いいえ、殺されるんだって。
だったら格好良く、若い子ちゃんの為に死にたいと思わない?」
少しだけ朗らかに笑って、レーナは2人———ヴェアナとフィックルの方を向く。
「生きてたって非力だから———。 そんなの生きてる意味無いわ。 だったら命を預ければいいの、このコ達に」
それからまた亜呂江の方に向き直り、
「精霊に命を預けられるなんて、どんだけ運が良い奴なんだか」
ふわりと羽を生やし、やがて上へ上へと舞い上がり、光になっていく3人。
「どうして———。 だからって私の為にそこまでしなくても「アンタの為じゃないわよ。 でもアンタが生きたいって言うなら、仕方無いでしょ?———死ぬんじゃないわよ?」
そんな台詞と共に、3つの光が1つになり、亜呂江の胸の中へと溶け込んでいく。

「———ありがとう。
待ってて龍。今助けに行く」
真剣な顔つきで、亜呂江は龍緋の近くへと向かった。




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———痛い、苦しい、誰か止めて。
———オレを、あるいはオレの身体を。
———亜呂江。

「う…あ、ああああああああああああああああああああっ」
全身に叫べと何かからの命令が飛ぶから龍緋は叫ぶ。 決して自分の意志で叫んではいない。 自分の意志で亜呂江の家を壊してなどいない。
だからきっと、自分の中にはもう1人の違う自分がいるのだと、龍緋は思う。
叫べば叫ぶほど黒い渦巻きのようなものの威力は増していく。このままではこの街全体が崩壊すると予想できそうである。
———何で…何でだよ…。
———オレは何処も、何も傷付けたくない。
———『普通』が欲しい。

「誰…だよ………っ。 オレの身体ん中居座って、オレを支配してる奴はさ……!!」