ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 真空パック〜新キャラ続々登場中!〜 ( No.306 )
日時: 2011/04/04 15:16
名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
参照: 宿題終わってないよ提出日8日なのに汗


「は? 治す、て。何を言ってるんだ、お前は医者か何かか?」
「医者じゃないけど。 いいから退(ど)け」

 言われたとおりにその場を退くキルメリア。

「はぁ…サンダーミスト。 確かにテメーは【森守神】だ。 けどな。 神だからって何でも森の問題を抱え込めだなんて、誰も言ってねぇだろ。 馬鹿野郎が」
 そう言うだけ言って、少女はサンダーミストの額に人差し指を当てた——瞬間。 少女の指から赤い光が放出され、それまで頭を抱えていたサンダーミストは段々と普通に戻って行った。

「………チッ。 たく、俺に無駄な力使わせないでくれ、頼むから」
 ピン、とまだ起きないサンダーミストの額にデコピンしてから、少女はキルメリアの方へ向き直った。
「っと、自己紹介が遅れたな。 俺はシュガー。 サンダーミストの部下、みたいな感じだ」
 ——部下にしては、乱暴な言葉使うんだな。
「私はルーク・キルメリアだ。 理由(わけ)あって、名前がキルメリアなんだがな」
 “へぇ”と頷(うなず)いて、シュガーは羽織っていたマントを脱ぎ、サンダーミストに被せる。
「テメーは直ぐ風邪引きやがるからな」
 言って、シュガーはまたキルメリアが腰掛けている木の枝の近くに戻って来た。

「なぁ、ところで訊きたいことがあるんだが」
 沈黙になるのが何だか嫌で、キルメリアはシュガーにそう告げる。
「ん?」
「さっきのお前の行動なんだが…。 あの光は一体なんだったんだ?」
 気になる。 もしら彼等は絶滅寸前の“妖精”なんじゃないのか。
 けれど、妖精などは架空の生き物。
 ならば自分は夢でも見ているのか。
 キルメリアはそう思ったが、シュガーの答えで我に返った。
「妖精の特有の力」「妖精!!?」
 我に返ったというか、驚いた。
「妖精って、あの絶滅寸前の…!?」「へ? あぁ、それは馬鹿な人間が流した噂だろ」

【殆どの妖精は、あたしが逃がしたのよ】
 気付くと、サンダーミストがスケッチブックを手に、キルメリアの横にまで来ていた。
 ——物音1つ立てないで、いつの間に起きたんだ、こいつ。
【そうだ】【シュガー、助けてくれてありがとう】【ごめんね、こんなひ弱な神に仕えるなんて】
「テメーはひ弱なんかじゃねー。
 だって本当にひ弱なんだったとしたら、テメーが真っ先に逃げてるだろ。 でもテメーは逃げなかった。森に住んでる妖精達を、自分よりも先に避難させた」
【それは当たり前のことなんじゃ?】「当たり前のことも出来ねーような奴が、ひ弱っていうんだよ。だからテメーはひ弱じゃねえ」