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Re: 真空パック〜新キャラ続々登場中!〜 ( No.308 )
日時: 2011/04/06 14:03
名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
参照: 三つ編みって1つ結びか2つ結びかどっちが好み?←

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 森に向かって歩くこと約30分。
 龍緋、亜呂江、リアルの3人はペースを崩さずずんずんと進む。
「水が飲みたい」
 不意に龍緋がそう呟いた。
「我慢してください」
 そんな龍緋の呟きに、表情を崩さず返答するリアル。彼女がのどが渇かないのは、ロボットだからだろうか、それともただ単に渇いていないだけなのか。

「さて、着きました。此処が森です」
「そんな彼女がいきなり立ち止まり、言った。
「いや。森です、て言われても。 え、行くんだよな?」「はい」
 龍緋は森に1歩足を踏み入れた。

「----------------------------------ッ」
 突如。
 なんだか何とも言えないような感覚が、龍緋の足をつたって、全身にまで流れてきた。 思わず仰天して、足を引っ込める。
「どうしたの、龍?」
 亜呂江が訊いてきたが、龍緋にはわからない、と首を傾げることしか出来ない。
「そう…?ならいいんだけど…。 龍はいつもいつも悪いこと全部全部抱え込むんだから——馬鹿」
「え?」
 ——最後が、聞こえなかったんだけど…。
 ——気にしないほうがいいのか?
「なんでもないよ、気にしないで」
 笑って、亜呂江はずんずんとリアルに続く。
「あ」「っ」
 声をあげたと同時に、凄まじい吐き気に襲われる。
 ——なんだ…コレ!?
 ——森から…物凄い力を感じ取れる…。
 ——気持ち悪……。
 その場にうずくまって、龍緋は口元を押さえ込む。
 ——駄目だ、治れ、早く。
 ——そうじゃないとまた皆に迷惑を…掛ける事になる…。

 そんなことを思い、地面に手をついて立ち上がろうとする——が。何かの力が身体に流れ込んできて、立ち上がるのさえ大変だ。それに、吐き気もどんどん強まっていく。
「っ…うあ…っ」「龍!!」
 やっとそれに気付いた亜呂江が、龍緋の元に駆け寄る。
「龍!?何かあったの!?」
 真剣な眼差しで訊いてくる彼女に、今更“大丈夫”など言えない、言わない。 つい先ほど、亜呂江に“我慢しないで”と言われたのだから。
「吐き気が…する。 森から、異様な力を吸収してる…みたい、だ……」
 何かわからない、何かの偉大なエネルギーを。龍緋の身体は吸収している。
「この森を破壊している【破壊者】の力が、恐らく龍緋さんに全て影響していると考えていいでしょう」
「は……?」
 息苦しいし、身体もダルい。それでもなんとか声を振り絞って聞く。

「くそ…っ何だよ、【破壊者】って----------------------!!」