ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 真空パック〜コ メ を く れ !〜 ( No.73 )
- 日時: 2010/12/31 18:53
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 別に雷恐いとか思ってないからね
&
『碑稲城博士、「 」に何をしたんですか?』
『いや僕何もしてないし。
にしてもまさか龍緋君の許嫁だったとはね。驚いたなぁ、あっはっはっは』
『笑うところですか、そこ?』
3人———龍緋と亜呂江と「 」から少し離れた場所で、碑稲城とリアルが雑談(?)をしていた。
『というか龍緋さんは何故「 」の名前を聞いただけであんなに絶叫してしまうのでしょうか?』
ぽつり、とそう呟くリアル。
『“記憶の断片”に刻まれてる何かが変な反応しちゃったんじゃないかな?
龍緋君はああ見えても記憶喪失者なんでね———って知ってるか』
無言で頷いてみせるリアル。
———それにしても、若いっていいなあ。
———あんなに龍緋君が羨ましくなってくるのは気のせいだよな、うんそういう設定にしとこう。
若干苦笑いで龍緋のことを見る碑稲城。
———嗚呼そうか、碑稲城博士は彼らのような歳の頃はずっと入院生活を……
———いけない、これは思い出しては駄目な過去。
———後で記憶を整理しておかなければいけませんね。
そんな碑稲城を横目で見ながら思うリアル。
『リアル、「 」を1度回収して来てくれるかな?龍緋君がエロ———じゃなくて、可哀相で仕方ないから』
「今エロいって言い掛けましたよね?」というツッコミは敢えてせず、「はい了解しました」と言って3人のところへ向かう
リアル。
『ねぇ「キルメリア」、君は誰かと入れ替えられていること、いつ気付くかな……?』
寂しそうに碑稲城は呟いて、研究所の奥へ去って行った。
&
「龍、ごめん。私結局邪魔になってた」
「別…に、邪魔になって、ない」
まだ苦しそうに喘ぎながらも亜呂江に向かって薄らと微笑む龍緋。
「ねぇ、龍。あの人に触られるとどうしてそんなに傷が増えるの?あの人は龍の何?何様なの?」
「質問は1つずつ、だ。
傷が増えるのは、わから、ない。オレの身体の何かが拒絶反応をあいつに対して起こしてるのかもしれない」
フラフラしながら立ち上がり、首筋に残る咬み付かれた痕をさすりながら、「○○○○○」を眠らせて引きずっていく
リアルに対し、
「ご苦労様」
と言った。勿論無表情で。
『「○○○○○」を暴走させてしまってすみません、龍緋さん。
次に起こすときはもうちょっとマシな人にしておきます』
「もうちょっとじゃなくて滅茶苦茶にしてくれ」
苦笑いでしながらも、眠っている「○○○○○」の頭を撫でる龍緋。
「あんたのおかげで何かが思い出せそうだ。ありがとうな」
そう言って、「○○○○○」のおでこに軽く口付けした。
『「キルメリア」、僕が今ちゃんと本当の君を起こしてあげるからね』
同時刻、研究所の奥で碑稲城がもう1人の「○○○○○」に喋り掛けていたのは誰も知らない。