ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 真空パック〜参照200突破とかマジありえんしー←〜 ( No.94 )
- 日時: 2010/12/31 18:50
- 名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
- 参照: 皆様良いお年を!!
『龍くんは何歳だ?』
『僕?僕は8歳だよー』
『ほう、じゃあ同い年だな』
『うん同い年っ!!』
———誰か、助けて。
———オレは彼女の存在を、存じたくない。
———やめて、ください、神様。
「っうあああぁぁ………」
力無く血だまりの中で叫ぶ龍緋。
それは最早いつもの龍緋ではない、昔に戻った、否、昔よりも弱弱しくなった龍緋。
地面を拳で叩いて泣きじゃくる。
その拳には血が付き、骨にはヒビが入り青くなる。
痛覚など最早無いであろう彼は、拳を何度も何度も何度も地面に叩き付ける。骨が粉砕するであろう程に。
———キ モ チ ワ ル イ 。
———イ ヤ ダ 、 キ ラ イ 。
———ダ レ カ オ レ ヲ コ コ カ ラ ダ シ テ 。
目は半ば虚ろで何処も見ていない、何処かを見ている目。
口からは弱弱しい吐息が漏れる。
———夢ならさっさと覚めろ。
———なぁ亜呂江、助けて。
愛しい人の名を頭の中でだけ考えて、
「亜呂江--------------」
呟く。
まるで傍に彼女がいるかのように。
『龍緋、お喋りはそこまでにしてそろそろお料理でも食べましょう?
お父さんも帰ってきたし』
『本当!!?』
目をキラキラさせながら玄関へ走り去っていく過去龍緋。
『キル○○○ちゃん、きっと知ってるでしょうけど…龍緋は病気を持ってるの。
うーん、病気っていうかね、特殊な力を』
それを見計らってか母親がキルメリアに言う。
『知っているぞ、母上よ。何でも自 分 の 意 志 で 全 て を 支 配 で き る そうじゃないか。
“覇王”って感じだな、ゾクゾクするぞ、我が夫よ』
まるで夢を見る子供のように———いや実際そうなのだが、キルメリアは母親に向かって言う。
苦笑しながら母親も笑うが、1つ、と呟いた。
『それがね、間違いがあるの。“自分の力で”じゃないのよ実は。
つい最近解ったことなんだけど、あの子には“制御”という能力が無いようで、身 体 が 勝 手 に 何 か を
や るって感じらしいわ。だから龍緋が今動いているのも彼の意志じゃない、彼の身体の意志なの』
『難しくてよくは理解できないが、意志を持っていないというだけの話か?』
曖昧そうに小首を傾げながら八重歯を見せ笑うキルメリア。
『まぁそうね、じゃあそういうことにしておきましょうか』
———???
———何…言ってんの?
———オレはちゃんと、自分の意志で動い---------------
「あがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッ!!!!?」