ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 真空パック〜参照200突破とかマジありえんしー←〜 ( No.99 )
日時: 2011/01/01 11:53
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
参照: 明けましておめでとう御座います、今年も宜しくお願いします!!

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「---------------------------------」
ぱちり、と目が覚める。衝動的に。

「龍緋っ!!!」
その傍にいたのは亜呂江だった。
今にも泣きそうな目をして、龍緋の手を握り締めてくれた。

「心配したんだよ、龍緋が4日も起きないから。
それに……ずっとうなされてたっていうか、寝ながら叫んでたけど…大丈夫だった?」

———あの叫びは…この世界には聞こえてたってことか?
———何か恥ずかしいなおい。

「あー……多分大丈夫…な筈。
んでもって亜呂江、此処何処。どう見てもあの研究所じゃないってことは解るけど」

鮮やかな水色の壁に、冷たすぎず暖かすぎないフローリング。 机や椅子はセットのようで、薄茶色の机と椅子が
見えた。それから青縁の小窓。そして机の上にある小さな赤い目覚まし時計。それ以外は何も無い殺風景な
部屋だった。

返事が無い。
「亜呂江……?」
「私の家なんだ。
もっと言うと、私の部屋」

———へ?
———此処が亜呂江の家ってことは…
———此処は亜呂江が住んでた街ってことか?

1つの小さな窓を開け、外の景色を見る。
あのスラム街で、あの研究所も見える。

『龍くん、女の部屋に連れ込まれるということはどういうことか解ってるんだろうな?』

と、突然背後から声。

「うっきゃあああああああぁぁぁあああ!!?」

色んなトラウマとびっくりした時の叫びとで、奇妙な叫び声が龍緋から上げられる。
「ちょっと、中に入っていいとは言ったけど、龍に話し掛けていいなんて一言も言ってない」
『龍くんと喋るな、とも言われていないが?』

———びびった!!マジで心臓ドキドキいってるし!!

「えっとまあ落ち着け2人とも。
ていうかあんたは朝っぱらから何か凄ぇ格好だな」
キルメリアの格好を見ながら言う龍緋。


『“あんた”とは私のことか?
まぁ良い、龍くんだから特別に許す』

———オレじゃなかったらどうしてた。

『ていうかこの格好見て解らないか? ドレスだドレス。しかもミニスカだぞ』
「うんはいはいはいはいよかったねーところで亜呂江、ちょい訊きたいことがあるんだが」
『うおおおぉぉぉおおぉぉい龍くん!!? 自分から訊いといてその反応は無いだろおま!!』
「亜呂江、この部屋出ないか」






ガン無視ですね、主人公。






真剣な顔つきになる龍緋に、キルメリアも亜呂江も何も言わなかったが。




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薄暗い研究所、緋稲城の研究所。

『緋稲城博士、何をしてるんですか』
『本当のキルメリアを目覚めさせるんだよ』
『は?』
意味が解らないという様子が、声だけでも十分解る。

かたん、と椅子から立ち上がって緋稲城が言う。

『あのキルメリアは、彼女の分身。言わば---------




------------------------------彼女自身の影』