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2-1「魔界の日常」

今日、一ヶ月ほどぶりに、大魔王であるメフィストフェレス様がご帰還なされた。
天界と同盟についての話し合いに行ったのだが、あまりに帰りが遅くて、暗殺されたのではないだろうか?
という話も持ち上がっていたところの帰還で、人々は凄く安心した。

メフィストフェレス様のお身体には傷一つなく、愛しのリリアーヌを抱き締めて散々愛しんだ。
リリアーヌ様は照れながらも否定すること無く、メフィストフェレス様をお受入れになられた。

そんな和やかなムードは、メフィストフェレス様の一言で崩れる。

「同盟はナシだ。今から人間界モノにしようってのに、仲良しごっこ何かしてられっかよ」
と。まぁ、魔界は誰も同盟を結ぶつもりがなかったので、そう落胆する事もないが。

「それに、あの神サマは俺をナメてんのか? ふざけたこと言ってきやがったぜ」

恐らく、メフィストフェレス様はお怒りになられて帰ってきたのだろう。
最初のピリピリした雰囲気で何となく察知できた。それを感じたリリアーヌ様は、密かに召使を呼び、
メフィストフェレス様と二人きりになれる部屋を用意した。

「天界と総力戦───?」
天界は、あの清らなるイメージとは違ってむさ苦しい猛者がうじゃうじゃいる所でもある。

「あぁ。真っ向から勝負だ。じゃねぇと面白くねぇだろ?」
戦争を心から楽しむような無邪気な笑顔。そこがまた恐ろしいところでもあるのだが。

「さぁ、武器の用意をしておけよ。いつ始まるか解らねぇ」