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3-3「雪上梓亜の罪」

天界VS魔界の勝負では、特に梓亜が主力となって敵を倒して行った。
命乞いする者も容赦なく切り捨てる。その姿は修羅か鬼の如く。

全身返り血に濡らし、無数のナイフも血塗れ。その美貌には似合わない、血生臭い香り。
それは、まさに悪魔をまとめる頭。悪魔の頂点に立つ悪魔。
悪魔の中で最も恐ろしい悪魔───。

その戦いぶりを見て、満足そうに微笑むリリアーヌ。だが、心中はどんなものか計り知れない。
言葉では梓亜を褒め称えても、胸中ではどれだけ嘲笑っているのだろうか。

己のただ1つの欲を叶えるために、その手を数えきれない罪に濡らす。たかが1つの願いには見合わない罪。
普段ならそれに気づく梓亜であったが、今の彼は完全に我をなくしている。

彼の人間嫌いは、もう何千年も昔から始まっている。
無情の者たちに隷属の日々。自由などない。身体の感覚がなくなるまで働かされた。

彼はあくまでも人間と共に生きようなど考えていない。人間界が手に入ったなら、人間を滅ぼす。

何千年も前の恨みを、何の罪もない人間にぶつける。

それで彼の心は満足するのだろうか───。