ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 謎の世界と闇の魔術 ( No.34 )
- 日時: 2010/12/01 21:19
- 名前: 黒帝 ◆ltYx4J.g3k (ID: q.GNWgNw)
- 参照: 途中からナレーター変わるのは仕様
ハァハァハァハァ
二人はまだ呼吸が激しい。
相変わらずビルの腕からは血が出ている。
僕が最初に口をきいた。
「こ・・・これ早く・・家に帰って手当てしたほうが・・良いんじゃないの?・・・」
ビルはまるで怒ったかのような口調になって言った。
「親になんていえばいいんだよ! どうせ最終的に先公に喧嘩かなんかで訴えられるんだよ!」
僕も激しい口調で言い返した。
「じゃあそのまま死んじゃうじゃないか!そんなところから血が出ても致命傷じゃないけど血が止まらなかったら死ぬだろ!」
沈黙が続く———ふたりの息だけが聞こえていた。
さっきと打って変わっていつもどおりのブラッドが沈黙を破った。
「じゃ・じゃぁ何か言い訳を作るんだ。あんな変な生物がいたなんていってもどうせ信じてくれない・・・何か言いわけを自分で作るんだ・・・もうあまり時間がないから、走りながら考えていけ・・・」
ビルは少し動揺したようだったが、少し立ってからこっくりうなずいて外へ出て行った。
しかしブラッドは、そこに残った。なぜなら気になるものがあるのだ。
そう、木箱だ。
こんな誰もいないところに木箱なんて普通用意されてないし、明らかに不自然だ。
ブラッドはどうにかして木箱を割ろうとした。 自分でもなにに夢中になっているんだ。と思うほど変なことをしている気がする。
そしてブラッドはピンと来た。
ビルが持っていたろうそくはまだここに残っている——
そう思ってからブラッドはすぐに落ちているろうそくを持ち上げ木箱に投げつけた。
見事に火のある部分が木箱にあたった。
あたったかと思うと数えるまもなくろうそくの炎は燃え広がった。
まるで魔法でもかかっているかのように—
さらにその炎はしたに積んである木箱には乗り移らず、その気箱だけを包んでいった。
やがて、炎が消えたかと思ったらぱっかり穴が開いていた。
中身は真っ黒だ。しかもそのうえ何もな—いやある!
奥のほうに先端が青、持つところが赤になっているなんとも変な形の鍵が合った。
ブラッドはその鍵に触れようとした。
普段ならこんな変な鍵があったとしても見向きもしないだろう。
しかし、この不可思議なことがたくさん起こるこの場所ではなぜか興味が持てた。
ブラッドがその鍵に触れた瞬間だった。
いきなりその鍵の先端から炎のようなもの(ほとんど炎要素だが何か違う・・・)がででてきて体中が包まれた。
しかし、なぜか暑くはなかった。しかしブラッドはほかの事であわてていた。 当たり前だ。こんなおかしいことは普通起こらないのだから——
気がついたときには目の前は全て灰になっていた。
しかしまださっきの炎?のような感じにうごめいている。
ところどころ青い炎があった。
と、思ったときには上の灰が消えていった。やがて目の前まで消えていき、前が見えるようになった。最終的には、一番下まで灰は消え、跡形もなくなった。
しかし、跡形のなくなったのは灰だけではなかった。
今まであった“小屋”もなくなっていた。
目の前はまるで森。
しかし今まで小屋の外に広がっていたような薄暗い森ではない。
冬でも木にははがびっしり。へんな植物もたくさんある。
しかし木にしなければいけないのは、そんなことではなかった。
ここはどこだ?
続く