ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 謎の世界と闇の魔術 ( No.46 )
- 日時: 2010/12/03 17:48
- 名前: 黒帝 ◆ltYx4J.g3k (ID: q.GNWgNw)
それでも男は歩き続ける。
まるで家の庭を歩いているかのように
しばらく歩いているとまた森に。関係なく道でない所の草を押しのけながら進んでいく。
男が草を押し倒していくため歩きやすくてよかった。でも、その草はなぜか少し立つと元の状態に戻るので自然に速足になってしまった。
やっと森を出た。が、そこは何も無いただの空き地だった。
しかし男は手を前に出し、何か奇妙な言葉を叫んだ。
「ゴロート 出現せよ!」
とたんにその次元が渦を巻いて、何かいかにも変な建物が出現した。
横に細長く、ぼこぼこしていて壁の色は黄色。窓は何個かあるがまったく中が見えない
意味もわからずポカンとしていると男が おいいくぞ! といった。
こんな状況じゃなかったら絶対に入りたくない。だからといって今も入りたくはない。
ずっとそこにとどまっていると男に襟をつかまれた。
そして男が僕はトランクのように引きずりながら言った。
「今俺が言った言葉が暗号だ。覚えておけよ」
ゆっくりとうなずいた。
できることなら覚えたくはない。
男がドアの前に行くとまた何か変なことを言うんじゃないかと恐れていたが何も言わずにごく普通にドアを開けた。
男がその中に入って僕も無理やり入れられた。僕は目を閉じていた。こんな奇妙なところ見たくもなかったからだ。
しかし中に入るとがやがやと声が聞こえてきた。そして思わず目を開けてしまった。
すると中は人が40人ほどいた。
建物の中は外と打って変わってログハウス的な風景になっていた。
机やいすが何個もあって二回へつすく階段もここから見える。
机の上で話し合っている人がほとんどだった。
すると誰か知らない男に声をかけられた。
「おっ!クライヴ帰ったか。」
クライヴ?知らない。僕に言われていないという事だ。
するとここまでつれてきた男が ああ、帰った。 といった。
・・・
この男がクライヴなのか。
前にいた男の目がクライヴから僕にそれてから言った。
「誰だこいつ?」
いかにも“誰だこいつ”という顔で言った。
クライヴがさりげなく答えた。
「ああ、そこに転がってた。」
クライヴは物に対して言うかのような声で言った。
「おい。お前名前は?」
僕はあわてていった。
「あ!・・ブラッドです!」
次の瞬間男がおお!と言いたげな顔で僕を見てから自分の首に手を当てて唱えた。
「グライドス! 響け!」
次の瞬間数えるまもなく男が言った。
「おい!」
とてもうるさかった。近くにいた僕は鼓膜が破れるかと思い、おもわず耳をふさいだ。
その一声で広間にいた全員が黙った。
「生き残りがいたぞー!!」
そしてもう一度首に手をあてていった。
「戻れ!」
今までがやがやとうるさかった広間がシーンと黙った。
次の瞬間全員の目が僕に向けられた。
男はニヤニヤしている。
次の瞬間そこにいた全員といっていいほどの人たちがいっせいに声を上げた
『生き残り!?』
続く