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Re: GINNIA ( No.10 )
日時: 2010/11/29 17:48
名前: 瑠依 ◆D2HMpdaTN6 (ID: JhSKFTjv)

壱—§4

****

————次の日。

「行って来ます。」
美咲は寝坊しないようにいつもの目覚ましと一緒に携帯のアラーム昨日を使い、早めに目を覚ますことが出来た。

「ちょっと……早く出すぎたかな?まだ7時だ……。」
腕時計を見ながら美咲はぼやいた。昨日の夜の不安は起床の眠気と共に何処かへ消えたみたいだ。

「今日見る映画は沙代子ちゃんも楽しみにしてたし……、沙代子ちゃんもきっと早く来てくれるよね。大丈夫、大丈夫。」
「…………おい。」
「!?」

誰かに呼び止められて美咲が振り返ると真っ白な髪の女と黒いスーツを着た男たちが美咲を囲んでいた。

「あっ……あの、何か?」
白い女の放つ殺気に怯みながら、美咲は呼び止められた理由を尋ねた。

”カチャ”

「理由は言えない。でもアナタには死んでもらうわ。」
女はそれだけ言って美咲に銃を向けた。

「残念ね、アナタならこちら側に来てもらいたかったのになぁ……。でもまぁ……仕方が無いのよね、抵抗はしないでせめてもの餞別にすぐに楽にしてあげたいから」

血の気が引いていくのが分かった。一瞬時が止まったのかと思った。
こちら側?何で殺されなければならないのか……?

美咲には心当たりが無かった。
放心状態に陥ってしまった美咲をあざ笑うように女は銃の引き金に指を引っ掛けた。

「それじゃ……バイバイ。」
「ほ〜〜ぃっ!!」

”ドゴッ”

「グッ」
「なっ!?」

行き成り上から人が落ちてきて、女の後ろに居た黒のスーツに着地をし、その男は気絶してしまった。
っとすかさず美咲と白い女の間に割り込んだ。

「ギニスのホワロスか!」

落ちてきた人間を睨みながら女が叫んだ。
白い髪、白い格好……顔は少し幼く見えるようだが男だろう……。

ホワロスと呼ばれた白い男は女の言葉を無視して美咲の方へ視線を向けた。
「初めまして。美咲ちゃん!家まで向かえに行ったんだけど、部屋に居なかったから吃驚しちゃったよ。
取り敢えず此処は危ないから逃げようか。」

男は美咲の腕を掴んで走り出した。
それを追いかけるように女と男たちが追いかけてくる。

「美咲ちゃん、僕の言うこと聞いてくれるかい?取り敢えず、学校と家以外なら何処にでも良いから逃げてくれててくれる?
そこ以外なら僕の仲間……クロワスが助けてくれると思うから。」
「え?あの……学校には沙代子ちゃん……私の友達が居るんですけど……。

すると急に男が止まった。
「えっちょっと、追いつかr……」
「平気だよ、君の友達はまだ学校に居ない。それに多分家から出れないと思うし……。」
ニコニコ笑いながら言う、この状況を楽しんでいるのだろうか……。

「美咲ちゃんは僕の事……信じてくれませんか?」

”ズガン”

白い男がそう言った瞬間銃声が響いた。白い男のこめかみを貫通している。
追いかけてきた女が銃を撃ったのだろう。女の持った銃から少し煙が出ている。
その一発の銃声を合図のように、後ろの男たちも銃を白い男に向かって連射した。

どの銃も白い男の頬や体を掠めたり、貫通したりしていた。

「あっちゃぁ……ちょっと油断しちゃったかなぁ……兎に角!美咲ちゃん、此処は危ないから逃げて。」
白い髪や服を自分の血で赤く染め、口からそう言った後、白い男は倒れた。

美咲は恐怖で縛られながらも、白い男の言うことに従うことにした。
死にたくないという心だけで美咲は走り出した。