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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: GINNIA ( No.4 )
- 日時: 2010/11/29 13:27
- 名前: 瑠依 ◆D2HMpdaTN6 (ID: JhSKFTjv)
——→壱 「始まりの銃声」
§1
****
授業終了のチャイムが鳴る。
今日一日の始まりとなる授業は「社会」だった。
中学3年生となり、「歴史」と「地理」は無くなり「公民」という単元をやっている。
——そんな今日の社会は先週末にあった期末テストの回答が返ってきた。
え?結果?? そんなの聞かないで欲しい……。
「あぁ〜……終わった。何もかも終わった……。
私の前期の社会の成績は死んだわ……。きっと……いえ、絶対に死んだわ!!!」
私の前の席の女の子——私の親友が嘆いている。
授業中こっそり後ろから覗いたんだけど87点も合った。
……この子が死んでるんだったら、私の点数はもう火葬されているのかもしれない。
「いいじゃん、沙代子ちゃん。頭良いし、提出物とかちゃんと出してるんだったら4は行けるんじゃないかな??」
「……美咲は何点だったのよ?」
「…………12点……。」
「あっあたし、日直だから……」気まずい空気が流れない前に沙代子ちゃんは退散した。
こんな時期にこんな点数かぁ……、お母さんに見せたら怒られちゃう……。
「どうしよう……。私、ちゃんと高校行けるかなぁ……。」
自分の言った言葉の語尾がだんだん小さくなるのを感じながら、窓から広がるグランドに目を向けた。
校門の近くで白猫と黒猫が二匹見えた。……喧嘩しているように見える。
——キーンコーンカーンコーン。
二時間目のチャイムが鳴った。もう一度自分の社会の解答用紙を見た。
真っ赤なペンでバツが沢山書き込まれている紙を机にねじ込んで、次の授業の教科書を出した。
次の授業は……「理科」だ。
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