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Re: GINNIA ( No.7 )
日時: 2010/11/29 14:59
名前: 瑠依 ◆D2HMpdaTN6 (ID: JhSKFTjv)

壱—§2

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二時間目の授業が始まった。テストの解答が出席番号順に配られている。

その様子を青年二人が向かいの家の屋根から双眼鏡を使って覗いている。
一人は真っ白な格好、もう一人は真っ黒な格好。まるでさっき少女が校門で見かけた猫のようだ。

「クロワス〜、僕飽きましたよ。さっさと帰りたいです。」
真っ白な青年が真っ黒な方に言った。
「黙れ、馬鹿ロス。
今回に任務はあの中に居る少女の回収だ。お前も探すの手伝え。」
「む〜……だってどの子か特徴も教えてもらえなかったんだよ?探しようがないじゃん。
って言うか、『馬鹿』って言うなよ。」
何処から出したのか分からない煎餅を頬張りながら白い方が愚痴る。

「あっねぇねぇ、クロワス。ニャンコだよ、ニャンコ。」
「おい、真面目に仕事しr……」
「この真っ黒な方……何処か抜けてそうな所がクロワスそっくりだぁ……。」
「……お前、頭悪いよな。風通しよくしてやろうか?」
クロワスを呼ばれる黒い青年が腰に装着していた銃を白い方の頭に銃口を突きつけた。

「アハハ、クロワスったらそんなこと出来ないくせに〜。
それに、お仕事の方はもうすぐ終わりそうだよ。」
「……はぁ?」
「もうっ!クロワスって真面目な割りには全然分かってないよね!!
上からの命令の女の子僕分かったよ。」
白いのが軽い口調で言う。銃が向けられているのに怖くは無いのだろうか……。
猫と戯れながら、屋根に寝転がる。

「意味分からねぇよ。何で分かったんだ……。」
クロワスが聞く。
「えぇ〜、クロワス。本当に分からないの!?」
「……いいから教えろ。」
「…………あそこ。」
寝転がったまま白い方は斜め上の遠くを指した。
……っが何も無い。クロワスはじっと目を凝らして見てみた。

「あいつ等、こっちには気づいてないみたいだな。」
「たぶんね。それより……、ターゲットの女の子の回収はいつするの?」
「……明日、ターゲットの登校中だ。」
「りょーかい。アトリエさんにもそう伝えておくよ。」
「あぁ……あいつ等が動いてるんなら、簡単には回収出来ないかもな。」
胡坐をかいていた足を崩して立ち上がり、伸びをしながらクロワスが苦笑交じりに言った。

「ん〜……大丈夫じゃない?もともとあの子は向こう側の人間じゃないし。それにクロワスも居るしね〜……。
あっそうだ、クロワス。」
「……なんだ?」
「あのね〜、明日は残念ながらあの学校休みみたいだよ。
あの子、友達を何処か遊びに行くんじゃない?」
「…………それを早く言え!この馬鹿ロス。」