ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: GINNIA ( No.9 )
- 日時: 2010/11/29 15:46
- 名前: 瑠依 ◆D2HMpdaTN6 (ID: JhSKFTjv)
壱—§3
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今日の授業は全て終わった。後は帰るのみ……!!
なのだが、今日の私は家へ帰るのが憂鬱だ……。
テストの点数がボロボロだった。……ある教科を除いて。
「美咲、憂鬱な顔してるね。明日の話もしたいし、何処か寄ってく?」
「沙代子ちゃん!!いいの?」
「モチロン」
「ありがとう!」
「持つべきものは友である」とはこの事だよね。
近くの本屋とかファストフード店に行くことになった。
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「はぁ……、期末結果どうだった?沙代子ちゃん」
ファストフード店に入ってすぐに頼んだポテトをつまみながら聞いた。
「ん〜……まぁ一応全部平均点はあったよ。……美咲は?」
頼んだジュースを飲みながら沙代子が答える。一時間目終了時と同じ雰囲気にならないように気をつけながら心配な親友の点数を聞いてみた。
「ん〜……ボロボロ。社会は12点だし、数学は20点。
国語は34点で英語は7点だったよ。」
ポテトを食べながら軽い調子で言う。
「あっ理科はいつも通り99点だった。感じ間違えちゃって原点されちゃった。」
「……何で理科はそんなにいい点取れるのに他が駄目なのよ。
理科みたいに頑張って勉強してみれば良いのに……。」
「え?私理科は勉強してないよ?他の四教科が駄目駄目だからそっちしか勉強してないし……。」
「じゃぁ、何で理科だけそんなに良いのかしらね……?不思議だわ。」
机に肘を付いて頬杖をしながら呆れながら沙代子は美咲の顔を見た。
ポテトをモヒモヒ食べているところはまるで小動物……ハムスターのようだ。
「あっそうだ、明日の映画のことなんだけどね……」
これ以上テストの話をして欲しくないのか美咲は自ら話を変えた。
明日は学校が休み。その休みを使って美咲と沙代子は映画を見に行くことにしていた。
受験の年、最後の楽しみだ。これが終わればお互い勉強一筋で頑張ろうと約束しあったのだ。
「……じゃぁ、明日学校の前に八時に集合ね。美咲……寝坊しないでよ??」
「わっ、わかってるよ……。」
「じゃぁ、私そろそろ帰らないといけないからお開きね。また明日。」
「うん、バイバイ。」
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「あぁ……やっぱり怒られるよね……。」
あの後沙代子と別れて大人しく家へ帰ってきた美咲。大人しく母親にテストの点数を見せ怒られ、晩御飯を食べ、現在風呂上り。
「はぁ……ちゃんと勉強してるのになぁ……。」
ベッドでゴロゴロしながら自分の通学用鞄を見つめた。
「あぁ〜……すっごく頭の良くなる力があればいいのになぁ……」
——『欲シ……ぃ…………かイ?』
「!?」
突然頭の中に声が響いた。
(なんだろう……、何か怖いな……。)
胸に不安と明日の映画への楽しみを残して美咲は明日に向けて眠りについた。