—オープニング—『あなたは、決して人を恨んだりしては駄目。人のために生きなさい』それは、なぜか忘れた時に思い出す懐かしい声。誰の声かは分からない。でもなぜか、懐かしくて、恋しくなる声。一体、誰の声なんだ。ある日、俺はこの話を人にした。その人は答えた。『それは知らないほうが良い、お前の過去のことかもしれないから』と。俺の過去に何があったのか、誰に聞いても答えてくれない。俺はある日知った。俺のことは親さえも知らなかったのだった。