ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Veronica*Oz.10更新中&オリジナル募集中 ( No.137 )
日時: 2011/02/02 16:19
名前: 朔 ◆sZ.PMZVBhw (ID: 7Qg9ad9R)
参照: おげほっ、げほっげほ…

 男の浪漫ロマンというのがある。

 帝国某所、"リクエスト"ということなのだろうか、男共はよく分からない議論を展開していた。

「俺は、あれだ。上からボンッで、キュッ、ボンのタイプ」

そう語るは、作品中稀有な存在である混血児のウェスウィウス・フェーリア・アリアスクロス。

「私はやっぱり女性なら十六から三十くらいまでかな」
「え、それ身長?うわ、低ッ」
顎に手を当て、にやけるフレイを見下すように言ったフリッグに対し、フレイは反射的にに突っ込みを入れた。
「年齢だよ、年齢!!」


 さて、何故こんな話になっているのかというと———………



<Oz.Biography3:Talking-座談会->



 ことの始まりは、十分程前。

 拠点として置いている、帝国中心部にあるフレイの自室には様々な年齢と種族が居た。

———恐らくジェイド種とされる、フリッグ。
その義兄でカーネリア種とラズリ種のハーフ、ウェスウィウス・フェーリア・アリアスクロス。
アンバー種の自称賞金稼ぎメリッサ=ラヴァードゥーレ。
アメジスト種の禁書図書館見習い司書フォルセティ。

アンバー種の傭兵レイス・レイヴェント、スピネル種のお嬢リーゼロッテ=ルーデンドルフ、彼女の従者・人狼ビスマルク、エンジェルオーラの童女リュミエール・オプスキュリテ、アメジスト種のフォルセティの母(仮)イルーシヴ。

彼らは世界を滅ぼそうと企む男の計画を阻止すべく、アゲート種の評議員フレイ=ヴァン=ヴァナヘイムによって組織された者なのだ。多分。


 そんな彼らは取り合えず、フレイの部屋で色々としていた訳である。何故好みの女性について話をしているのかというと、メリッサのある発言が原因……と説明するのが妥当だろう。

「フリッグはねぇ〜、ボンッ、キュッ、ボンがタイプなんだってさぁ〜」


フレイに誘われたあの日、十六歳という少年が女性———フレイヤを見つめていたのを、メリッサが勘違いしたのだ。

 そしてなんという無責任なのか。その様な発言をしたメリッサは、さっさと女組を連れて買い物に行ってしまったのだ。

残された男共の中心には、何故か"好みのタイプ"という話題の花が咲かされていた。


「やっぱりフリッグ君のタイプはあれかぁ。フレイヤかぁ〜」
まず喋ったのは、勿論フレイだった訳だ。


 それから冒頭の会話に戻るのだ。


* * *


 直立したウェスウィウスが、腰の辺りに両手をやり、くびれのラインを手で表現した。
「やっぱ女はアレだよな、腰のライン」
それにすかさずフリッグが言い放つ。
「顔は見ないんだ」
「いや顔もあるけどさ……」ウェスウィウスは頭を掻いた。「体のラインも大事じゃね?電気消したら顔見えないし」

「レイス君、君はどうだい?」
その会話に無理矢理レイスを引き込んだ。ぼんやりとしていたレイスはフレイの声に吃驚し、持っていた紅茶を溢しかける。

「お、俺……!?」
「君以外、何処に"レイス君"がいるんだい」
フレイはハッハッと笑い声を上げた。隣のビスマルクが豪快に笑い飛ばす。その所為でレイスの存在が一瞬で消し去られた。

「己れはあれだ。清純派!」
「居なくねぇか?清純派って」
人狼の言葉にウェスウィウスが静かに言った。確かにフレイが集めた面子の女性の中に"清純派"といえる女性は殆ど居ない———というか皆無である。

 その事実に呆れるやら、なんやら。


* * *

 フォルセティは一人浮いていた。今まで恋愛経験など皆無である。———人格の変貌したリュミエールの尻に敷かれ気味であるが。

「セティの将来の嫁さんはリュミか?」

突然ウェスウィウスから会話を振られたフォルセティは目を見開いた。
「———ッハァ!?」
「だってホラよ。明らかに"年下同士"っていうフラグ来てるしよ」
ビスマルクがウェスウィウスのテンションに悪乗りした。

 顔を真っ赤にした十歳の少年は必死に手を顔の前で振る。
「ちっ、違うよ、違うってばぁ!!そ、んな関係なんかじ……ゃ」
「あっ、でも読んでると妙にレイスとリュミのフラグも!」
そう言うフリッグに、流石のレイスも声に力を入れて反論した。

「俺はロリコンじゃない!!」

それに悪乗りし、男たちは好き勝手言い始める。
「レイス君、七歳は犯罪だよ。せめてあと十年は待たないと」
「俺もそう思う。あと、二重人格の嫁は大変だと思うし。
あ、俺の妹美人だぞ」

レイスの肩をポンポンと叩き、フレイはにやにやと笑う。隣でウェスウィウスが、何処から出したか妹ウェロニカの写真を見せつけている。彼は微妙にシスコンなのだ。

「ちょっ、ウェルは駄目だよ、ダメダメっ!!」
焦ったフリッグが必死にウェスウィウスから写真を取り上げようとする。背丈が高いウェスウィウスは写真を真上に上げ、取らせないようにしていた。嫌な奴である。


「お嬢はまぁ、キレるとヤバイのだがなぁ。
普通に入れば才色兼備の美女(笑)」
目を輝かせるビスマルクに深くフレイは頷く。
「うんうん……。良いよね。だから嫁にくれ」悪ふざけしたフレイの脇腹にどこからか飛んできた銃弾が掠められた。「………悪ふざけしました」

「体型としては、イルーシヴ。男の理想はあれだな」
「異論無し。僕もそう思う。戦うときに、胸が邪魔にならないのか気になる」
ウェスウィウスの意見にフリッグが乗る。直後、二人同時に呟いた。

「「性格を除けば」」

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