ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Veronica*Oz.10更新中&オリジナル募集中 ( No.138 )
日時: 2011/02/02 17:53
名前: 朔 ◆sZ.PMZVBhw (ID: 7Qg9ad9R)
参照: おげほっ、げほっげほ…

* * *

 呆れた表情で居るフォルセティの肩をそっとレイスが叩いた。この場の空気に居心地の悪さをお互いに感じていたのだ。仲間を見つけ、二人は安心し合う———のだが。


「セティはイルーシヴ大好きっ子だよね。何となく」
という発言をフリッグがしたのだ。翡翠の目を悪戯に輝かせ、彼は年下の少年を軽く苛める。

「いや、違うな!」ビスマルクが声を張り上げた。「イルーシヴはフォルセティの母親だ。ウェスウィウスとイルーシヴの隠し子がフォルセティで……」
「俺いくつだよ!!」
すかさず突っ込みをかますウェスウィウス。彼は二十歳なのだから、十歳の子など有り得ない。———イルーシヴの年齢は不明であるが。

 ふとフリッグの脳裏にフレイヤの姿が思い出される。彼女も、男の理想のタイプだと思われる。あの豊満な胸、抉られた様な腰の括れ、そして何よりあの妖艶なる雰囲気———。少年はそれを出してみる。

「フレイヤさん、とかは?あれも良いんじゃないの」

それに何故かフレイが眼鏡を押し上げながら答えた。
「アイツは男タラシだよ」
「お前は女タラシ。良く似た双子だなぁ、オイ」
皮肉をぎっしりと詰め込んだ発言をウェスウィウスはしてやった。だがフレイはうんともすんとも言わない。

「ラインは、確かにな……。性格が非常に奔放らしいが」
一筋の汗を頬に流し、呆れた顔のレイスはフレイを見た。

「まぁ確かに、ね。見た目はグッド。躰も良い———だけど奔放過ぎだからね。今まで何人の男を捨てたんだか」

レイスの言葉に答えたフレイに、フォルセティと喋っていた本人を除いた男たちは一歩フレイから引き下がって居た。彼らは全員そこで声を合わせる。

「「おま、ちょッ………!」」
「何がだい?」
フレイは平然とし、眼鏡を押し上げていた。

「発言自重!!ここ全年齢向けだから!」
顔を真っ赤にしたフリッグが叫んだ。
「え、あの?どゆことですか……?」
まだ子供のフォルセティは何も分かっていない。勝手にヒートアップしていく周囲から除外された彼は説明を求めたが無視されてしまう。

「フレイお前もう駄目だわ。消されたらどう責任取ってくれんだよ」
「責任は書き手じゃないのかい?」
訪ねるフレイにウェスウィウスは呆れ顔で答える。言い訳がましいが。
「ホラ、よく有るだろ……。キャラが勝手に動くパターン」
「動く?じゃあ、何。アニメーションでもやるのかい?」
惚けたアゲートの男の脳天一直線にハリセンが振り下ろされた。乾いた音が気持ちの良いくらい周囲に響き渡った。ハリセンの主はレイスであった。

 フレイは一同を改めて見た。いつの間にかフォルセティがビスマルクに連れられて部屋から出ていこうとしていたのだ。耳を塞がれ、「さて、アイスでも買いに」など如何にも物で釣ったかのようにビスマルクが手を引いて連れていく。

「ちょ、君たち何してるんだい!?」
焦るフレイに白々しい顔のフリッグがふざけて答えた。棒読み、何の抑揚も無い言い方で。
「息してるんだい(笑)」
「い、いやそんな回答は求めていないよ……?てか、何。"かっこわらい"って」


答えたと同時に足早に去って行ったフリッグを含む数名の男たちをフレイは止めようとしたが、誰かさんの華麗な銃の腕前の前に撃沈したのであった……。


* * *

「あー、で、何。結局、好みのタイプの話は如何なった訳よ」
ベテルギウスに逃げ帰って来た男たちに、買いだしを終えて帰ってきたメリッサが仁王立ちをしながら訊いた。

「結論からいうと、皆"ボン・キュ・ボン"の三拍子が好きって話です」
妙にかしこまった良い様のフリッグに、後ろに立っている男性陣は大きく頷いた。

その答えを聞きながら、まるでそれを確認するかの様に何か紙を見ながら、ボールペンで印を付けていっている。

少しして、ふっと彼女は顔をあげ、フリッグらを見て訊ねた。


「あり?アタシを仄めかすようなモンが一つもないのは、気のせい?」


その言葉を聞いて、一同硬直。


「気のせい……では、ないと思います先生!!!」

そう叫んで、彼らは一斉に駆けだした!


         明日の夕日を目指して(笑)









「ちょ、ちょい待てや作者あああっ!!!オチついてないぞ!おい、聞いてんのか作者ッッッ」

メリッサの悲痛な叫びなど空しく———





終劇!(強制)


<Oz.Biography3:Talking-座談会- Fin>