ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Veronica -参照500突破!Thanks!- ( No.69 )
日時: 2010/12/18 15:43
名前: 朔 ◆sZ.PMZVBhw (ID: 7Qg9ad9R)
参照: 20XX年、長野県は日本から独立し、信濃国を建国する!

私は竜である。名は———まだ名乗れない。作者がネタバレになるから名乗るなと五月蝿いのだ。え?誰だと?それはな……

「あ、何してんのポチ」

私の主(とは認めていないが)フリッグが私の名を呼んだ。勿論、私の名は"ポチ"では無い!ちゃんとした名前ものがあるのだ!!勝手に"ポチ"と呼んでいるだけである。

喋り方が予想と違った?黙れ!私は普段喋らないだけなのだ!!誇り高き竜族の私の喋り方はこれだ。不自然でも気にしないで欲しい。———全く……。
先日、"ジェームズ・ノットマン"という男に敗北———ではなく、そいつとの戦闘で負傷した我々………あ、私は負傷など殆どしていないのだが、その他の者が負傷した為、付近の村の人間に助けられた。取り合えず、一番怪我の酷かったフリッグはかなりの時間昏睡状態に陥っていたのだが(まあ、私は普段の行動に対する罰だと思っている)メリッサというこそ泥擬もどきのアンバー種と、用心棒?のレイスという名のこれまたアンバー種の男はそれほど怪我の加減が酷くなかったようでぴんぴんしている。私?私は少し右翼に怪我を———いや、何ともない。全く怪我など無いぞ。


今回、リクエストということで、私からみた日常を語るとしよう。うむ、いい加減飼い主———じゃなくて主を変えたいと思ったのだから人間観察をし直すいい機会だろう。


<Oz.Biography1: OtherEyes-とある竜のとある日常->

地球の皆様おはこんばんちは!じゃなくて、そうそう人間観察だ、人間観察。今、私はマックールという村に居る。その辺りは本編を読んでいる方々は既知だろうから割愛しよう。今回は、"私視点"="主人公"なのだから、無駄な説明で内容を削るわけにはいかないのだからな。
それでは、行ってみようか。Here we go!

* * *
今、世話になっているマックールの民家———リュミエール・オプスキュリテの家だそうなのだ———のリビングルームでソファーに寝転がっていた私の躰を誰かがつついている。

「シャルル六世っ、キャスリーン?あれ、なんだっけお前の名前———………吉岡君?」
ポチだ!!!
自称賞金稼ぎのアンバー種、メリッサ=ラヴァードゥーレ。作者曰く"自称賞金稼ぎ事実盗人"の十七歳の女だ。性格は絶対私と合わないに決まっている!
 なので私は起き上がり、飛んで行こうとしたが右翼がけがをしていて飛べなかった。不覚、忘れていたとは。飛べない私の尻尾を掴んだメリッサは卑しい笑みを浮かべて私を見て居た。

「捕まえたぞー」
この女に関わると碌(ろく)なことがない!必死に四肢をもがいて逃げようとするのだが、ううむ……奴の方が力が強い。

「あ、竜さんだ!」
見えないところから聞こえた声に嫌な感じがした。子供の声である。———いや、まさか。

「お、リュミ。これはね、ポチって名前の竜なんだよ」
ぶらぶらと私の体を宙にぶら下げながらメリッサがリュミエールという小娘に答えた。私の名前は、××××———嗚呼、作者の規制が入ってしまったではないか!ううむ、だがポチという名前を思い出した事は称美してやる。
「———何か上から目線ぽいな、お前」
「きゅ……?」
——————ぎくっ……!声も何も発していないのに、この女は何故分かったのだ!まさか貴様霊能力者!?見えました、見えましたなのかっ!!??取り敢えず可愛らしい声を発して誤魔化しておこう。

「ポチって言うんだ〜。可愛いね」
メリッサが、そう言ったリュミのもとに私の躰を渡した。エンジェルオーラ族の小娘の腕の中に私は埋められる。———う、しょ……正直息苦しい、のだが。

「キュ———っ!!!」
漸く私のもがき苦しむ様子に気付いたリュミエールはハッとして私を解放した。OH!FREEDOM!!ベルリンの壁、崩壊!違うっ、私のキャラが崩壊しているではないかっ!!!おい、作者!
 そっと優しく抱きかかえるように変わり、小娘の腕の中も居心地が良くなってきた。ついついウトウトしてしまい、嗚呼———なんだか視界がかすんでく——————。
 欠伸して開いた口が、何故か何かを挟んだ。ウィンナーか?何かだ。細い肉。細い肉———。
 少し意識が戻ったようで視界に明るみが射してきた。ん……何だか私を包み込む腕が震えているような———。
 私を抱えてる、リュミエールの髪の毛が漆黒に染まっている。瞳が光の様に白く———はて。この小娘は雪の様な白髪と黒曜石の様な漆黒の瞳を持っていなかったか?種族はエンジェルオーラ族。確か———

「貴様!!!いい度胸だな!このまま肉片(ミンチ)にして、ハンバーグとして夕食にだしてやろうか!!!??」
穏やかでおどおどした子供は、殺意むき出しの羅刹へと変貌していた。メタモルフォーゼか。変貌したリュミエールは、私を宙に放り投げた直後、黒白のリボンを服から抜き出し、先ず白のリボンを振った。すると振ったリボンから凍てつくような波動が吹き出て床を凍らした。幸いにも避けれた私だったのだが続けて振われた黒のリボンからでた黒炎は避けれず直撃。体中焼けるような感覚に襲われた!メリッサは知らんふりをして何故か出て行ったようだ。オイ!!

「雑魚が!逃げるな!!!」
地に這いつくばって逃げる私を追うように、二本のリボンが振われる。

 エンジェルオーラ族は、戦闘を好む者と平穏を好む者の両極端が存在する。だが、齢十歳まではそのどちらも兼ね備えており、環境によってどちらかに属すか決まるという。
 正直、一瞬新しい主はリュミエール・オプスキュリテでも良いかと思ったが———あと三年ほど待ってから決めることにしよう。