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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Gothic doll【さぁ、殺し合いなさい】 ( No.16 )
- 日時: 2010/12/01 20:19
- 名前: 鏖殺 ◆iOXuMLRneg (ID: BcdVt4VG)
Ⅰ-Ⅲ「契約doll」
「……君、大丈夫……?」
と、一人の男が声をかけてきた。
気が付けば空は暗黒に包まれ、その暗黒の中から純白の粒が降ってきている。
これは、確か“雪”と言うモノ───。こんなに冷たいのね。
「貴方こそ、何をしているの」
貴方は人間でしょう。人間がこんな闇を歩いて、何をしているの。貴方には還る場所があるのではないの?
私は還る場所がないから彷徨っているの。
「僕は───」
と言葉を濁らせた。心の奥底に、何か深い闇があるのね。dollの私には解る。
「還る場所はある。でも還りたくないのね」
貴方の心の闇の原因は家庭。家庭環境が良くないのかしら。そんなに襤褸を着ているのだものね。
「───ねぇ、君は誰───?」
何で僕の全てが解るの? 僕は何も言ってないのに、僕の嫌な事が解った。
───君は誰? 君の事をもっと知りたい───
「私は薔薇。今の段階ではそれしか言えない。でも───」
僕の心を見透かしたような挑発的な瞳。重要な所は話してくれない。
「私の足元に跪いて、足先に口づけをする事が出来たなら教えてあげる」
と、公園のベンチに座って足組みをする。その後ろに下僕のようについてくる男。
男は静かに跪いて、私の足先に唇を落とした。
「フフッ───。いい子ね」
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