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Ⅰ-Ⅰ「誕生doll」

今日、めでたく私の心の杯に血が満たされた。
さっそく満ちた血をあの方に捧げ、私は晴れて動く事、喋る事が出来るようになった。

鏡と言うもので見た私の姿は、真っ赤なドレスに身を包んだ、金髪のツインテールに青い瞳を持つ少女。
とても愛らしい、赤ずきんのような私。この小さな手を、血に塗れさせることになる───。

服の色で自分の属性を確認して、私に力を分けてくれる人間を探しに行く。

私は街を歩き続ける。すれ違った誰もが振りかえる。まるで人形のような美貌の私に。
私は街中、ひとり彷徨うの。私の為に全てを捧げてくれる男を探して。

さぁ、私の手を取って頂戴。その時、貴方の右胸には赤薔薇の紋章が刻まれる───。