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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: デットマン・プリズン ( No.11 )
- 日時: 2011/01/19 06:53
- 名前: 桜音ルリ ◆sakura.bdc (ID: emALHbP5)
Scene3【嘘と真実とそして新居】
僕が犯人を見つけた、って言ったらお医者様は喜んで警察の人を呼んだ。
馬鹿みたい。
レイカさんがいったとおり、あの人たちは悲しみに折り合いをつける方法を教えてくれた。
まだ思い出してなく日もあるけれど、それもだんだんなくなっていっている。
警察の人が聞いてきた質問に、僕は嘘と真実を織り交ぜながら答えた。
犯人は背が高く頬に傷があるオールバックの30代の男。というありがちな設定にしておいた。
それをまともに信じるやつら。
馬鹿みたい。
ついに退院の日がやってきた。
退院の時には僕の好きな看護婦さんたちが抱きしめてくれた。
バイクに乗って僕を待っているのは僕の叔母さんのレイカさん。
レイカさんは僕に微笑むと、バイクと僕を引っ張って路地裏に向かうと、僕にヘルメットをかぶせた。
そして、形の良い唇を歪めて笑う。
「しっかりつかまっていろ。規則というのは破るためにあるのだからな。」
了解。
スピード違反だね。
僕はそう思ってうなずくと、レイカさんの背中に張り付いて、おなかに手を回す。
そしてそのままぎゅっと抱きついた。
エンジンの音がする。
そして次の瞬間。
世界が走り出した。
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