ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: デットマン・プリズン〜オリキャラ募集〜 ( No.29 )
日時: 2011/01/11 07:17
名前: 桜音ルリ ◆sakura.bdc (ID: Y2qMR8Q5)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_m/view.html?577463

見た目同様、豪邸の中は不気味で豪華で一般人を寄せ付けない雰囲気だった。
長い長い廊下には剣やら斧やらが飾ってあるし、絢爛豪華な調度品は、壊したらと思うと触れることすらできない。
こんなに長い屋敷なのに、何故か執事やメイドらしきお手伝いさんは一人もいない。
いや、というよりこの屋敷の中、僕とレイカさん以外の生き物の気配がまるでしないのだ。
僕はゆるゆるとのろく首を回してふぅ、とレイカさんに聞こえるように大きくため息をつくも、それはあっさり無視された。
レイカさんは部屋の説明を一個一個するほかは黙々と足を進めていく。
僕はそれについていく。
静かな廊下には、僕とレイカさんのコツコツという足音だけが響いて、少し、怖くなった。

しばらく歩いただろうか、レイカさんがいきなり立ち止まった。
どうしたのだろうかと僕がレイカさんの顔を見上げればレイカさんは今まで見たこともないような、というかそれほど長く一緒にいたわけではないのだが、とろけるような笑みを浮かべていた。
心なしかあたりにマンガみたいなキラキラフラッシュと桃色の花が飛んでいる気がする。
僕はレイカさんのその様子に目を大きく見開いて固まった。
と、僕が小さく息を吸い込んだ音に反応したのか、レイカさんがはっと我に返りレイカさんは目の前の扉を開けた。

そこにあったのは膨大な資料の山だった。
レイカさんは先ほどの笑みを浮かべながら資料の山を背に僕に説明しだした。

「ここは私の宝部屋だ、危ないから、勝手にはいらないでくれ。」

宝、ああ、そうか、レイカさんはお母さんに似ているんだ。
本や文字に囲まれているのが大好きで、そこにいると癒される人間だ。
僕はお母さんとレイカさんの意外な共通点を見つけてにやりとした。