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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪は正義で正義が悪で ( No.11 )
- 日時: 2010/12/10 14:48
- 名前: ZERO ◆7dc6rjLZUg (ID: A9EK.QpX)
———————————はっ!貞治は!?
俺はぼんやりとしていた意識がはっきりして、
急いで周りを見渡す。そこにはもう皆いなかった。
「は…。なんで皆いないんだ?」
殺風景な体育館をひとまず後にして教室へ向かった。
教室では先生が話をしていた。何事もなかったような顔で。
「遅いぞっ!夜鬼、何してたんだ」
その言葉は普通に考えれば常識だ。だけど、だけど…俺にはそう聞こえなかった。
先生が何で不良に連れ去られた生徒を見捨てるのかという事が気に食わなかった。
そんな生徒の気持ちに気づかず説教をかます。ついに俺は口に出して本心を告げた。
「なんで…、なんで先生が生徒を見捨てられるんだ!!おかしいだろ!!
生徒を守るのも先生の役目じゃねぇのかよ!」
そんな俺の怒りのこもった一言に対し、先生はこう言った。
「もうあの子達には何を言っても耳を傾けない。つまりあの子達に対する一言は、
どんな事でも無駄なんだ。早く席に座りなさい」
そんな冷めた一言がもっと気に食わなかった。ついに堪忍袋の尾が切れた。
俺はズンズン教室の前に出て行く。そして横に教卓を思いっきり蹴る。
そして先生の胸倉を力いっぱいつかんで上にググッと上げる。
「先生がんな事で諦めてどうすんだよ!!もし転んだら転んだ回数起き上がる!!
そしてまた前に進むんだろ!?そんなの正義でもなんでもねぇよ!!」
そして先生の胸倉を離して俺は一人教室を出て行った。
大切な友達を助けるために————————。
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