PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪が正義で正義が悪で 1話up完了 ( No.15 )
- 日時: 2010/12/09 20:41
- 名前: ZERO ◆7dc6rjLZUg (ID: A9EK.QpX)
第二章 罪人の悪は悪の正義へと変化する
あれから、一週間が経った。僕はあの出来事が信じられない。
いや、出来事ではない。あの賊徒君の姿だ。どこか勇敢な感じがして、
いかにも正義を語れるような感じがした。
「貞治、一緒に帰ろうぜ」
「うん!もちろんだよ!」
こんな風に僕と賊徒君は仲良くなっていった。
賊徒君ってやっぱりいい人だな、僕の勘も冴えるようになったね。
なんて自我自賛はしないけど…。
「おい、何やってんだ?行くぞ」
「あ、ちょっと待ってよ〜」
二人はしばらく歩いていた。ただ何にもない住宅街を。
あるとすれば、公民館とか公園ぐらいだ。
ちょっと苦しそうな声を出して貞治は言った。
「ね…ねぇ、公園で休まない?ずっと歩いてるよ…」
「まぁ、俺はいいよ」
そして二人はすぐ近くにある小さな公園へ行った。
公園に着くと二人はベンチに腰掛けて水筒の中の水を飲む。
無言で休んでいる二人の顔の間からいきなり少年が出てきた。
「ちっす!お前等もここで休んでるのか!」
「うわっ!!」
「誰だよ、お前」
しげしげ服装を見てみると僕達と同じ制服だという事に気がついた。
けど、うちのクラスではないような気がする。
だって若干黄色に近い髪の色でこんなに目立つ様な人はいない。
「あ、俺。俺は悪我意高校の一年二組の結城雅治、宜しく」
「結城君か…、僕は金尾貞治、宜しくね!」
「俺は夜鬼賊徒、宜しく」
軽い挨拶を三人は交わした。そこにある男が歩いてきた。
「なぁ、お前。工場跡地で喧嘩してた奴だよな?」
その男は金髪で髪を若干逆立て学ランを着ている。そして背は貞治より高い。
貞治と賊徒はただ首をかしげているだけだった。
しかし、雅治だけは違った—————————。
「番長と呼ばれた男、王我勇将…!」
PR