PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 悪が正義で正義が悪で 急遽オリキャラ募集 ( No.23 )
- 日時: 2010/12/11 20:47
- 名前: ZERO ◆7dc6rjLZUg (ID: A9EK.QpX)
賊徒は迷いのない目で勇将を睨む。
二人には何で賊徒がこんな顔をしているのかわからなかった。
「…お前、何か勘違いしてるよな」
「勘違いって何もしてませんが」
二人の話は一向に終わる気配などない。
二人共そう心で思っていた。善人と悪人の話などそんなものだ。
しかし二人の場合は予想とは全然違った。
「俺、不良とつるむ気ないですから」
「だから、そこが勘違いしてんだよ。そこらの不良とは違うって事」
その言葉の意味が賊徒にはわからない。
何せ忌々しい過去の問題があるため不良は悪としか思っていない。
そんな賊徒に勇将の言葉の意味がわかるわけなどない。
「探したぜぇ、生意気野郎…」
「この前の不良!?」
その姿は何を言おうと、賊徒にやられた不良の大将だった。
さらに今回は前の倍、いやそれ以上の不良を連れている。
「……!お、お前等こいつ等と知り合いなのか?」
「俺が前にぶっ潰した連中だ」
「こいつ等、ここらで有名だぞ…。大将なんか獄陀邪尾だぞ!?」
雅治はすごい動揺している。それが完全に顔に表れていた。
一応それほどすごい連中なんだろう。あくまで一応だが。
賊徒は顔色一つ変えず邪尾の方を向いて仁王立ちしている。
「なぁ雅治、お前あいつ等がすげぇとか
何とか言ってるけど、んなもん関係ねぇよ。」
「え……。でも…」
雅治は恐怖と困惑の狭間にいた。賊徒の考えがわからないからだ。
強い、弱い、それが勝敗を左右する。なのにそれが関係ない。
その考え方の魂胆からわからなかった。賊徒はゆっくり口を開いた。
「強い弱いなんて関係ねぇ。俺はただ目の前の悪をぶっ潰すだけだ」
その後ろ姿がなんとも勇ましく見えた。
PR