ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 彷徨い人の十字路 ( No.74 )
- 日時: 2010/12/31 21:23
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
そこら中に転がっている瓦礫を避けながら二人は歩みを進めた。最初はやや恐れを感じていたライトもやや落ち着いてきた。
しかし辺りの景色を見回そうとすると身体の一部が爆風で欠け、息絶えている兵士が居た為ただ歩く事だけに集中している。
「…………なぁ、ライト」
ふとゲーデが歩きながら独り言でも言うようにライトに話しかける。ライトはやや下を向いていた顔を上げて「何?」と問いかけた。
ゲーデは暫く黙り、ライトの方を見て話始める。
「この辺で……転がってるかもしれないな」
「何がっ!?」
「…………はは、何だろうな〜」
ライトが顔を蒼白にさせゲーデの右腕を掴む。ゲーデはそれを面白がるかのように返事をはぐらかす。
……何だかんだでそれはゲーデの気遣いだったのだが、婉曲と言うか、伝わりにくいものではあったが。
しかも、その言葉が現実となっていた。
ゴロッ……
「!?」
ふと瓦礫のない床だけの場所に着いた二人の背後から、何かが転がるような音がする。
二人が同時に振り向き、そして二人とも顔を真っ青にしていた。
「ゲ、ゲーデ……ゲーデが変な事言うから、ぁ……」
「ままままままままままさかな。そそそそそんな事、な、無いだろー?」
自分はともかくとして仮にも悪魔であるゲーデが此処まで怖がるのはどうなのだろうか。とライトは思うが、言葉にする余裕は無い。
お前が振り向け、いえいえそっちでしょ。アイコンタクトで交わされる会話ですら、上ずっているような気がした。
そしてまるで第三者の手で首を動かされているかのようにぎこちない動きで二人は首を音のした方へと動かす。
「ぎっ……」
其処には、
「やっ……」
赤色の血と、
「「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!」」
血にまみれた胴体が転がっていた。