ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 死のない世界 オリキャラ募集中 ( No.18 )
- 日時: 2010/12/23 11:01
- 名前: 妹 (ID: jJL3NZcM)
第三話「理由なんてない」
また・・
一人となった。
一人が怖いのではない。
怖くない。
嫌いなんかじゃない。
好きだ。
なのにここにきてから・・ふるえが止まらない。
まるで・・・・・・
あの二人が消えたときのように
体がいうことを聞かない。
それだけの事。
あの二人————
「異音ー♪こっちだよ☆」
「異音遅いぞー^^」
「まって二人ともー」
遊んでいて、車が来て・・・・・・
「「危ないっっ」」
轢かれて・・・・
俺のっ、っ、代わりに、
そうだ——
そんな気分だ・・・・・
死のない世界、
あの二人にみせてやりたい————
「はあ・・・・・・」
俺はため息をつきながら一人でにぎやかな町をひたすら歩く。
行き先などあるわけがないこの場所で
ただ・・・・・・・・・・・・・
「へへ。いただき」
「何?」
気がついたら俺のバッグがない。
「ちっ、ひったくりか?」
ひったくりが逃げていく中で誰も見向きはしない
皆見ている方向が・・違う。
どこかを向いて歩いてるように。
ひったくりは人ごみにまぎれてわからない。
「返せっ、この野郎がっっっ」
その時だった
ザシュッ!!
首が落ちた。
「な、ななな・・・・」
俺は状況が飲み込めないまま、つったった。
目の前に斧をもった男がいる・・・・
血が斧からしたたっていく。
「お前は・・この世界の住人ではないな」
口を開いた。
俺は斧に少しおびえながらも、言葉をはっした
「あ、ああ、そうさ・・・・・」
「なら帰れ馬鹿」
「ばっ、馬鹿・・?く、帰り方がわからないからっ」
イラつきながらも返事をする。
「ああ、せいぜい頑張る事だな」
斧を片手に男は去ろうとした
「ま、まてよっ」
「なんだ」
「俺も・・連れてけよっ」
とっさに叫んだ。
「・・・・・俺の名は依螺。くるなら命がけで来い」
男は答えた。
「俺は、志出 異音だ、よろしくっ」
「ふん・・・」
「それよりっ、聞きたいんだけどっ、どうして人を殺したの・・・・・・・」
依螺は顔色ひとつかえずに答える。
「殺してなんかないさ」
「は・・・・」
「よく見ろ」
「え・・・・」
そのひったくりは頭をつなげて、よろよろとさっていった。
血は出ている。
首と体が離れていたのに
くっつけた?
「な、なんで・・・・」
「死のない世界だからだよ——」
包帯女と同じことを言う。
「ど、どういうことだよ」
「死のない世界だから人は死なない、しかも人間が無限に生まれ続ける。人は増える。」
「って、ことか・・・」
なら全て説明がつく。
あの犬も、
あの人も、
人の多さも、
何もかも
一体この世界は・・
なんの為にあるんだ?
なんの為に俺は呼ばれたというのだ?
多くの疑問点を残したままだった。
第三話 完