ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 死のない世界 オリキャラ募集中 ( No.24 )
日時: 2011/01/10 12:59
名前: 妹 (ID: jJL3NZcM)

 第四話「わからない」

「なあ、依螺・・どこに行くんだっ?」

「・・・あの城が、見えるか?」

依螺が指さした方向を、俺は見つめた。
真っ赤な、城。
江戸時代のような、形。
赤い、赤い色・・・・


見ているだけで、気分が悪くなる。


「・・・ああ、見えるさ」

「そうか、なら・・わかるな?」

それだけいうと、依螺はまた歩き出した。

「どっ、どういうことっ、だよっ・・・・」

依螺は驚いたのかわからない顔で俺を見つめる

「・・・あそこに行くんだ」

「そ、そうかサンキュ・・・・」

その時ぼそりとつぶやいた声が聞こえた






「幼児か・・・・・」





・・・カチーんと
きたから言い返したくなった






「あ、あのなっ・・・・」











「!?」











目の前で人の首が飛んだ。















もちろん、犯人は依螺。

血を滴らせて、こう言う。








「ハズレか」






なにがなんだかわからない俺は、
とっさに依螺をたたいて見せた


依螺は驚いているのかわからないような
どちらともつかない、いうならば無愛想という感じの
顔をこちらに向けた。


「・・・なんだ?」

とぼけているものだと思えた俺は、
頭に血が上るかと思えた。

「・・・・・・っ、ざけんなぁぁぁ!!!!」


そう放ったとたんに依螺はまた人を一人殺した。


「・・・わからない。」

そう言った依螺は呆れたようにつぶやく。

その顔にイラついてたまらなかった。

「なにがっ、わかんないんだよぉおぉぉ!!!!!」

「何故だ!?お前は何が言いたいのだ・・・・」

「どうしてっ、どうして・・・・・」

「何がだ?!」

「お前はわからないっ!」

「人間に同情などしてなにがある?」

「・・・・お前はっ、どうしてッ・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」




「わからない」



依螺の放った言葉


それがこの世界
というものなのか



「わからない・・・・」



俺も同じように呟いてみせた。




第四話 完