ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 第一章「紋章の物語」#4 ( No.21 )
- 日時: 2010/12/11 16:04
- 名前: Night sky ◆qz5ybRPRRc (ID: PSM/zF.z)
とはいったものの・・・
「おい。そんなこと言ってもどこ行くんだよ。」
歩きながら聞く。
「ん?なんか手がかりあるまで歩き回るだけだよ?」
なぬ!?
達也は続けた。
「何も無いときはいつものようにブラブラするだけですぞ。
それにマンガのように都合よく不良に絡まれてる人がいて助け出すみたいなベタなことは起きないぞ。」
俺はゆっくり戸惑いながらいった。
「闇の紋章は・・・」
すぐに返事が来た。
「知らね。」
おいおい。
「どうせそろそろ大会出場者に絡まれるさ。」
あまりにさらっといったのでなぜか腹が立つ。
その時だった。目の前の道に穴が開き、中から人が出てきた。
俺は達也をこずいて囁いた。
「ほら見なさい。ベタだこと。」
達也はむこうを見たまま答えた。
「本当だ。」
相手はゆっくりしゃべりだした。
「待ち伏せ作戦成功!」
俺はもう一度達也をこすいて囁いた。
「ほら、ベタな方向に向かっていってるだろ。」
達也はさっきと同じような口調で言った。
「ベタなことはもういいから、これは戦うときだろ。」
相手は少々まぬけに言った。
「なぬ!?2人じゃないか!卑怯な!」
しらね
「しかし俺は勝つのだ!」
俺は達也にそっと言った。
「どう見ても悪党じゃないぞ。」
達也もそっと言った。
「そうっぽいな。」
そういうと達也は手を出していった。
「俺の腕をつかめ。」
俺はしぶしぶつかんだ
そうすると男は
「もしや!」
と大声で叫んだ。うるさいな。
—と、思ったのもつかの間。目の前の風景画ギュン!と音をたてて変わった。
目の前の全てがものすごい速さで色を変え、渦を巻いている。
俺はおもわず叫んだ。
「何だこりゃ!」
達也は表情も変えずに説明しだした。(説明と言ってもすこし話すだけだ。)
「俺の能力は強化能力および、瞬間移動能力だ。」
ああ。この前俺に絡んできた悪党が消えたのはこいつが消したのか。
つまり簡単に言うと、
つかむ。
↓
移動する。
↓
置いておく。
↓
帰ってくる。
↓
そいつは消える。
というわけだ。
—と、考え終わったとき、移動完了した。
ん?
あれ?
「おい。ここどこだよ。」
周りは真っ暗で岩に包まれている。
達也は今度ばかりは少しあせっている。
「おかしいな。」
その声がどこまでも響く。
続く