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第二章「第二次能力者戦争」#2 ( No.48 )
日時: 2010/12/18 16:58
名前: Night sky ◆qz5ybRPRRc (ID: UTKb4FuQ)

あいつが見えなくなってから歩き出した俺があいつに追いついたのは、あいつが到着してからかなり後だったらしい。
まったく息も切らさずに達也が言った。
「遅いぞ。」
俺は手を左右にブンブン振っていった。
「お前が速いだけでは?」続けていった。「ここはどこだよ?」
その質問を待っていたかのように言った。
「ここは俺の故郷なのだ!」
俺がしらじらしい顔で見ているのも気にせずいった。
「確かここら辺に家があるはず・・・」

達也の目線をおった。・・・・・・・・・・・・コンビニ!?
「お前の家、コンビニなのか・・・?」
達也自身も驚いているようだった。
「イヤ・・・俺は確かコンビにで育っていない気がする・・・ちゃんとした家で・・・」
「立て替えられたんじゃね?」


ピキーン←心の音。

「そういえばこの家には誰も住んでいなかったし——でも主が留守だからといって潰していいものなのか!?」
達也が俺の方を頼りにしているような目で見た。
知らね。
「お前どんだけ留守にしてたんだよ。」
「10年くらいかねぇ・・・」
な!?
それじゃ廃虚同然だろ・・・俺は達也の方にポンと手を置いて明るい声で言った。
「諦めろ。」
・・・
「はい・・・」

「で。」
達也のうつむいていた顔が元に戻った。
「どこだよここ。」


さっきと同じような明るい口調で言った。
「ここはもちろん俺の故郷!無能力者は知らない町だ!能力者だけの町だ!」
ほぉ

「しょうがない・・・野宿するか・・・」
何のためにここに来たんだよ!

と思ったときはもう達也は寝ていた。
早!

しょうがない寝るか・・・


その夜はあまり寝られなかった。
忘れていたようだったがまだ忘れていなかった。闇の紋章——


気がついたらもう朝。
達也はもう昨日寝ていた場所には居ず、遠いところで新聞らしきものを読んでいた。
俺は達也の方へ駆け寄った。
「何だよそれ。」
達也は何も言わず、パラっと新聞をめくり、俺に押し付けた。

なになに。俺は一面を読んだ。

【大会主催者殺される!!!!】

この文字を読んだとたん俺は心臓がとまるかと思った。

“ついにこの大会に耐えられず、一人の少年が動いた。その少年は大会優勝商品までも破壊し、大会を破壊した。取材結果によると、「このくだらない大会のせいで人の命が次々と消されていくのが許せない。」などといっていた———”

俺は新聞を持ったまま達也を見ると、達也は真剣な表情でうなずいた。

そしてその最後の文を見た。


“その少年はこの町に住んでいるという———”



続く