ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 後ろの正面だあれ?〜禁断呪い歌〜 ( No.14 )
- 日時: 2011/01/18 19:54
- 名前: 爽 (ID: Ex8RKlaC)
#黒沼三重子#
絢「もーう、少しは妹の言う事も信じてくれてもいいじゃない」
今日は土曜日なので、私は今、親友の初美と県立図書館に来ていた。
初「そんなことより、絢音のにぃちゃんのシスコンっぷりにはびっくりだわぁ」
絢「あれはただ、頑固で意地っ張りなだけだし」
小さいときからそうだ。
ダメなことはずーっとダメって言い張って私の言ってる事なんか聞いちゃいないし、明らかにお腹が空いてるっていうのに空いてないとか言って残り最後のクッキーくれたり・・・
あれ?でもよく考えてみると全部私のためだ・・・
初「ねぇ絢音、ちょっとこれ見て!!!」
絢「ん?なに・・・・これって・・・」
私達が見たものは殺人事件の資料だった。
そこに書いてあったのは・・・・
絢「身ごもった嫁を恨んだ姑が階段から嫁を突き落とし殺害・・・・」
その記事は68年前のものだった・・・
嫁の名前は黒沼三重子(くろぬま みえこ)当時は32歳だった。
三重子はこれが初めての妊娠で嬉しかったに違いない。
突き落とされたときはどんな思いだったんだろう。
考えただけでも身の毛がよだつ。
ということは、嘘の噂じゃなかったんだ。
これは本当に起こったことなんだ。
私は怖くなり体が震えた。
初「本当だったんだね・・・」
いつも強気な初美でさえ、体が震えていた・・・
絢「ねぇ・・・まだ続きがあるよ・・・」
そう。その記事はまだ続きがあったのだ。
私たちは恐る恐る次のページへと目をやった・・・
初「うっ・・・・」
絢「なにこれ・・・」
そこに書いてあったのはさっきよりも酷かった・・・
一言で表すと・・・・・
《惨殺》
写っていたのは、顔は原型をとどめていないくらいグチャグチャで腹部には大きな穴がパックリ空いていた・・・
絢「黒沼芳枝(くろぬま よしえ)・・・・・」
おそらく嫁を殺した姑であろう・・・
初「誰がこんなこと・・・・」
絢「三重子・・・・」
それしか考えられなかった・・・
初「ねぇ、もしそうだったら、へその緒が落ちてるんじゃない?」
絢「そっか!!・・・・ない・・・」
初「えっ・・・?」
絢「そんなこと何処にも書いてないよ・・・」
ただ、記事には写真と何者かに殺され未だ犯人は見つかっていないとしか載っていなかった・・・
初「どういうこと・・・?」
私は意味が分からなかった。
芳枝は三重子に殺されたに違いない。
でも、へその緒は見つかっていない・・・
そうか!!芳枝は妊娠などしていない!!
絢「芳枝は妊娠なんてしてなかったんだよ!!」
初「そういうことか!!」
私達が過去にあったことを知り終えたときには外は真っ暗だった・・・
「あの〜、そろそろ閉館時間なんですけど・・・」
絢「あっ、すいません・・・」
初「かえろっか・・・」
絢「うん・・・」
私達は図書館を出た・・・
絢「ねぇ初美・・・今日家に泊まっていけば・・・?」
初「いきなりどうしたの?」
私は照れがちに言った・・・
絢「あんなの見たら怖くて独りになりたくないよ〜」
初「えっ、でも、絢音のにぃちゃんに悪いしさ!!」
絢「お願い!!お願い!!今度パフェおごるから!!」
初「もーう、しょうがないなぁ・・・。特大パフェだからね♪」
絢「やった〜。初美〜愛してる〜♪」
初「ちょっと、気持ち悪いって」
絢「ひどーい(笑)」
この事件に関することは知れた・・・
しかし、まだ終わりじゃない・・・
この間にも多くの妊婦たちが襲われているかもしれない・・・
むしろ、この事件は始まったばかりかもしれない・・・