ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 後ろの正面だあれ?〜禁断呪い歌〜 ( No.2 )
日時: 2010/12/10 14:38
名前: 爽 (ID: fbqYC.qT)

#最初の犠牲者#




「妊娠6ヶ月です」



医師がそう言った・・・



「本当ですか?良かったぁ!!!」



私はこれが初めての妊娠なので喜びを抑えきれないでいた。。。
これからは、私と夫とお腹の中に居るこのことの幸せな家庭が送れると思うと自然と顔が緩む



「はい。このまま安静にしていればすくすく育っていきますよ」



「ありがとうございます!!!」



「また、なんかあったら来て下さい」



「はい。では失礼します!!!」



私はそう言うと産婦人科から立ち去った。。。



夕方に来ていたので辺りはもう真っ暗だ・・・
私は早歩きで家に向かった



私が歩いているとどこからか歌声が聞こえた。。。
その歌声はなんだか悲しそうだった。。。



なんだか懐かしい・・・
そうか!!!これは、かごめ歌だ!!!



子供のころによく歌ったもんだ・・・
しかし、この歌を歌うたびに親に怒られてた

その理由を聞かないまま大人になってしまったのである



ふと、ある事に気がついた!!!
歌声が大きくなっている。。。
つまり、声の持ち主が近づいているということだ



か〜ごめ か〜ごめ かごの中の鳥は〜

いついつ出やる〜 夜明けの晩に〜

鶴と亀が滑った〜 後ろの正面だあれ〜




その声が小さくなることはなかった。。。



私は気味が悪くなって歩くペースを速めた



しばらくして、歌声は消えた。。。
しかし、誰かが何か言っている



声の質的に女性だろう・・・・



返して・・・・・・


返して・・・・・・


私の赤ちゃん・・・・・・


返して・・・・・・



声が次第に大きくなってくる。。。



声が大きくなるにつれて私の鼓動が速くなっていく。。。



返して・・・・・・


私の赤ちゃん・・・・・・



「誰なの?この子は私の子よ!!!!」



返して・・・・・・


私の赤ちゃん・・・・・・



「この子は私の子だって言ってるじゃない!!あなたには絶対渡さないっ!!!」



私は大きな声でそう言い放った。。。
すると、不気味な声がしなくなった。。。



「はぁ・・・」



私はその場にしゃがみ込み安心感を得ようとお腹に触れた。。。



すると、急激にお腹が激痛に襲われた・・・
陣痛にはどう考えても早すぎるため不振に思った。。。



「い、痛い・・・・」



私は痛さに耐え切れずその場に倒れこんでしまった。。。



ビリビリビリ・・・・・・・・・



お腹を見ると破れて穴があいていた・・・



「キャァァァァァ」



私はあまりの恐怖に悲鳴をあげた。。。
お腹に穴があいているからではない



私の目の前には血まみれの赤子を抱きかかえた女が立っていたのだ。。。



その女は長い黒髪で服は全身真っ黒のロングスカートを着ていた・・・
しかも頭からは大量の血が溢れていた




女は不気味に笑って言い放った・・・・





この子じゃない・・・・・・




どこに居るの・・・・・・




私の赤ちゃん・・・・・・




返して・・・・・・




プツン————————



そこで私の意識は途絶えた・・・・・