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- Re: 後ろの正面だあれ?〜禁断呪い歌〜参照100突破!!感謝です! ( No.27 )
- 日時: 2011/01/24 20:22
- 名前: 爽 ◆cwkQcZxsX6 (ID: 1/l/Iy6H)
#悪夢#
——龍一視点——
なんなんだこれは・・・。
俺が見たもの、それは————
古いトンネルの中に血まみれの赤子が大量おり、まるで自分の親を必死に呼び叫んでいる光景だった——————
俺はなにを思ったか知らないがトンネルの奥を進んでいった・・・。
するとうっすら黒い影が見えた——————
その影が気になり、さらに奥へ進むと黒い影の正体の全貌が明らかになってきた・・・。
どうやら黒い影の正体は女性らしい。
長い黒髪、全身真っ黒のロングスカート。
ふと、その女は俺に気づいたのか後ろを振り返った・・・。
その姿を見た瞬間、俺は腰を抜かしてしまった。
頭から大量の血が流れ、顔の半分は長い前髪で隠れており、わずかに見える片目からは血の涙を流していた——————
女は震えている俺に語りかけてきた・・・。
《あなたが落としたの?》
《あの階段は何段あったんだろうね?》
《とても長くて冷たかった。》
女は徐々に近づいてくる——————
俺は恐怖のあまり上手く動けずにいた。
《私になんの恨みがあったの?》
《普通に暮らしてた私に?》
《もうちょっとだったのよ。》
《もう少しでヒロタカは生まれてたの。》
ふと気づくと女の手には手編みと思われる赤子の服が血だらけになって握り締められていた——————
《私はあなたを許さない。》
《返しなさいよ。》
女の顔はさっきとまるで違っており鬼の形相で俺を睨み付けてきた。
《返せ》
《ヒロタカを返せ》
龍「違う!!俺じゃない!!」
俺はとてつもない恐怖感に襲われ地面に這いつきばりながら必死に逃げた。
《返せ》
《返せ》
龍「ハァハァ、来るな!!俺はやっていない!!ハァハァ」
しばらく逃げていると女の声はしなくなった・・・。
龍「ハァハァ、なんだよここは!!?どこなんだよ!!?」
俺にはもう走る気力がなかった。
ただここで助けを待つ体力しか残されてはいなかった。
かと言っても助けは来るのだろうか?
第一、なぜ俺はこんなとこに居るのだろう?
気づくとここに居て、何かに誘われるような感じでトンネルの奥に進んでいったらこの様だ。
俺の脳内にはいろんな疑問が行き来していた。
コツン——————
コツン——————
奴だ!!速く逃げなくては殺られてしまう。
しかし体が動かない。
まるで金縛りにあったように。
コツン——————
コツン——————
音はだんだん近づいてくる。
コツン——————
コツン——————
か〜ごめ か〜ごめ かごの中の鳥は〜
いついつ出やる〜 夜明けの晩に〜
鶴と亀が滑った〜 後ろの正面だあれ〜
気づくと女は俺の目の前に来ていた。
《待っていてねヒロタカ》
《お母さんが必ず見つけてあげる》
そう言って女は思いっきり刃物みたいなものを振りかざしてきた。
龍「・・・・っ」
俺は恐怖で目をつぶった——————
あれ?痛みがまったくない。
ふと、目を開けるとそこは寝室だった。
夢・・・だったのか・・・?
絢「龍兄ぃっ!!!!!」
まだ状況把握ができていない状態の俺に絢音が抱きついてきた。
龍「絢・・音・・・?」
絢「大丈夫龍兄ぃ?龍兄ぃも見たんでしょ?」
絢音の目には涙がうっすら見えていた。
龍「「も」って・・・?」
絢「黒髪の女だよ!!暗いトンネルの中で語りかけてきた!!」
龍「絢音も見たのかっ!!!?」
俺はベットから飛び起きた。
初「実は見たのは絢音やお兄さんだけではないです・・・。私も同じ夢を見ました」
絢音は恐怖のあまり泣き出してしまっている。
絢「怖い・・・よ。私、死にたくないよ・・・」
俺はただ絢音を抱きしめるだけしかできなかった。
決して、大丈夫という言葉はかけられなかった。
俺達3人はとんでもない事に首を突っ込んでしまったのかもしれない——————