ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

【第四話】黒蝶は儚げに詠う  @3 ( No.29 )
日時: 2010/12/26 21:42
名前: 氷兎 (ID: 8hgpVngW)
参照: ひらがながおおいです  by××

過去は、もう思い出せるようなモンじゃなかった。
黒く塗りつぶされた思い出は、容易く復活する訳がなくて。
今からわたしの過去を話します。詰まらないから、流していーよ。

季節は冬。わたしが8歳になった冬。隼音さんに拾われる、2年前。
白くて大きいお屋敷が自分の家だったのを覚えている。



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わたしの家族はおとーさんとおかーさんとおにーちゃんの四人家族です。
おとーさんの名前はユズキでおかーさんの名前はユキノです。二人とも、とっても優しくてだいすきです。
おにーちゃんはいつもわたしを守ってくれて、とても強いおにーちゃんです。

わたしのおとーさんはかがくしゃで、すごく難しいおべんきょーをしています。
でも、おとーさんは研究のおかげで凄いかがくしゃになって、とても偉い人なので、尊敬してます。
何だか作文みたいだけど、尊敬しています。

「××ちゃん、早くご飯食べちゃって」
「はーい」

わたしはおかーさんの「早く食べちゃって」には逆らいません。おかーさんのご飯はおいしいのでだいすきです。
おにーちゃんは起きるのが遅いのでまだ食べません。おとーさんは逆に早いのでもうお家には居ません。
もうお昼だからおとーさんがお仕事してるのあたりまえなんだけど。
この世界にはうらの世界とおもての世界があるらしいけど、わたしには難しくて何の話だがさっぱりです。
ああ、言い忘れたけどわたしの名前は××で、おにーちゃんはサヤと言います。女みたいで嫌だといつもグチを言っています。

「××ちゃん、今日学校無いんだったかしら??」
「ないよー、お休みー。だけどねー遊びに行くんだよー」
「そうなの。男の子??」
「うん!!」

男の子と遊びに行くのよー、やだもーわたしったらおませさんねー。とか自分で言ってみたりします。おにーちゃんにはかなり痛い子と言われますがこれがわたしだったりします。
おにーちゃんもいもーとをおそう痛い子なので痛い子に痛い子と言われているわたしは逆に正常なのだと思います。

「あら、サヤくん。おはよう、遅かったわね」
「おはよう母さん。××もおはよ」
「おはよーへんたいのおにーちゃん」
「黙れ」

きゃーおにーちゃんが怒ったわー、非難しないとー。あ、意味を間違えたわ。
わたしのおかーさんは27歳で、かなり若い美人妻です。おにーちゃんもおかーさんがだいすきです。やっぱりへんたいです。

おにーちゃんはわたしより3歳上の11歳ですが、おかーさんからはどっちが上だかさっぱりですと言われます。
おにーちゃんがわたしより年下になった瞬間でした。

「じゃー準備したらさっそくしゅっぱつじゃーっ」
「男の子となんだから女の子っぽくしなきゃだめよ。スカート着なくちゃ」
「えー、マロくんはいつものわたしがスキスキなんだからそのままでいーのにー」
「だーめーよ」

おかーさんはこーゆー時にうんと気合がちゅーにゅーされます。
娘を良く見せたいのではなく、娘を着替えさせるのが楽しみなのです。
でもおかーさんはわたしをキレイキレイにしてくれるのでだいすきです。
ここでわたしは自分のマザコンを自覚します。

マロくんというのは今日遊ぶお友達&大親友&コイビトのお名前です。
何か和風というかお茶みたいな名前だったのでマロくんです。なんとかまろとかいう人がお茶を飲んでたようなテレビを見た事があるのでマロくんです。
そうして決まったわたしの服装は桜色のスカートにクリーム色のティーシャツに、薄緑色のカーディガンという何とも春らしい服装。
でもね、おかーさん。今はふゆなんだよ、足さむいんだよ。
おかーさんの季節感は少々ズレているのでわたしがしゅーせーせねばっと思ったけどめんどうくさいのでやめた。

「んじゃーいってきまーす」
「いってらっしゃい」
「はしゃぎ過ぎて転ぶなよ」
「むきー、ころぶかぃ!!」

おにーちゃんにあっかんべーしてやってからわたしはお家を出た。

そしてお家の近くにあるこーえんに足をふみいれる。きゃー、どきどき、きんちょーするわー。なんちゃって。

「マロくんマロくんこんにちわー」
「××、遅いよ」
「ごめんごめん、ママンがさー」

おくれたことをママン(もといおかーさん)の所為にする。
でもマロくんの心は太平洋のように広々としているからこんなことじゃ怒らない、いーこなのだ。

「マロくんはー、なにがしたいー??」
「××を弄りたい」
「きゃー、おにーちゃんみたいなへんたいさんだわー、マロくんはそんな人になっちゃだめー、めっだよ」
「……本気なんだけど」

そう言われても……っ、実はマロくんはわたしより3歳上のおにーちゃんより2歳上なのだ!!
おにーちゃんよりおっとなーであだるとーなお付き合いをしてるのだよ、わたしは。
でもわたしはマロくんのよっきゅーにはこたえられません!!そーゆーこういはもちっと大人になってからだよ、マロくん。

「××、こっちきて」
「んー、何かねマロくん」

わたしはマロくんの座っているベンチ…じゃなくてベンチの上に座ってるマロくんのお膝、もといわたしの専用席へと座る。勿論、マロくんの方を向いて。
マロくんは顔を上げたわたしのおでこにそっとくちづけをしてくれた。おとなーであだるとーな階段をまた一つのぼったわたしです。

「きゃー、マロきゅんのえっちー」
「何でそーなるの、やなの??」
「いやー、もっかいしてほしーなー」

そう言うと本当にもっかいしてくれた。こんなことだけを3,4時間ぶっとおして飽きもせずやったわたし達はかなりのつわものだと思う。
そしてわたし達はかなりらぶらぶだと思われまするー。

「じゃー、わたしそろそろかえろっかなー」
「そう??送ろうか」
「んにゃー、いいよー。わたしはもうこどもじゃないんでね、おっとなーなんだよ、あだるとーなんだよ」

そう言ってわたしはこーえんを後にした。
明日もわたしの中のらぶらぶぱらめーたーを満タンにすることが出来るか、マロくんはー。





それでねー、家についてびっくりぎょうてんあらふしぎーなのだ。