ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ファイナルセカンド〜世界の終り ( No.3 )
- 日時: 2010/12/12 01:25
- 名前: シューマイ (ID: .Ksjqplx)
第ニ話
「キープゾーン」
ホームルームが終了した後
俺は帰宅してそそくさと準備を始めた。
部屋の隅に無造作に置いてあった
青いボストンバッグのチャックを開け
デジカメやケータイ類を入れて、チャックを閉める。
持ち物は少ないが、こんなものだろう。
俺は面白い物さえ見れればいいと思っていた。
ハンガーに掛けてあった薄いジャンバー
羽織った後、ジャンパーのポケットに
自転車の鍵を突っ込んで俺は家を飛び出した。
風にでも吹かれたのだろうか、家の隣に
俺の自転車が倒れてある。この自転車は
バランスが取り難いせいなのか、ちょっとした
事でも倒れてしまう。自転車に乗る時に
毎回直さなくてはいけないので、面倒くさい。
自転車を立て直し、開錠した後俺は
またがってペダルを漕ぎ出した。
タイヤの部分とアスファルトが擦れる音がする。
竜太があの新聞を見つけた場所は、竜太の家
から徒歩で10分程の場所にある
「唐草公園」と言っていた。
唐草公園は周りがギザギザした雑草と
小さなコンクリートの堀に
囲まれた公園で、そこに設備されてある
ブランコの辺りに小さな通り道があるらしい。
家から出発して五分後、曲がり角を曲がった時に
「唐草公園」と書かれた看板が目に見えた。
俺は自転車を降りて鍵をした後、唐草公園に
あるブランコに目を通した。
大して珍しい物ないし、竜太の言う、「小さな通り道」も見つからない。
本当にあるのだろうか、と疑問に思いながら
唐草公園に足を踏み入れた時、気さくな
声が俺の耳に入った。
竜太「よう、斉。」
竜太だ。片手を軽く上げて俺を見ている。
俺は竜太の方まで小走りで行った。
斉「よう、さっきブランコの辺りを見てみたが、小さな通り道なんて無かったぞ。本当にあるのか?」
竜太は自信満々に
竜太「俺もあるとは思わなかったよ。だけどさ、今日やけに風が強かっただろ?そのせいかギザギザの草が風に吹かれて揺れていたんだ。その時にさ、偶然小さな通り道を見つけたんだよな。そしてそこを通ったらこの新聞を見つけたと。」
緑色のリュックサックから古ぼけた新聞を取り出す。
見出しには渦巻く雷雲とそれから放電されている
稲妻が大きく掲載されている。
さっきからやけにこの写真が俺にとっては気になる。
迫力があるから気になるのだろうか。
竜太「さて、じゃあ行って見るか。」
竜太は、歩きながらブランコの方へ近づいて行く。
ブランコの近くでピタリと止まったと思うと
しゃがみこんでギザギザの草を手で分け始めた。
ギザギザの草がどんどん分かれていくにつれて
やがてコンクリートの堀が見えて来た。
するとそこには、コンクリートの部分に
若干ではあるが、四角くかたどられた切り口
の様な跡が見える竜太はここを指差しながら
「ほら、四角い跡があるだろ?俺も不審に思って少しここを押してみたんだよ。そしたら、ほら。」
四角くかたどられた跡の丁度中心部分を手で押すと
ズズズと低い音が鳴った。今まで四角い跡だと
思っていた物がだんだん後ろに倒れて行き、
コンクリートの扉と変化した。
その大きさは、丁度小柄な子供が一人入れるくらいの
大きさだ。
竜太「この先を進んだら、この新聞を見つけたんだ。
新聞取った跡は、誰にも見つからない様に元に戻しておいたんだぜ。二人だけの秘密だぞ!」
竜太は軽く笑い、小さな通り道を進んでいった。
俺もそれに続く。
小さな通り道を屈みながら進んで行く中
広い空間に出た。
そこには、大量の新聞の山と様々な道具
見た事も無い物があった。
第二話終り。