ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 孤塔の少女 オリキャラ募集中です ( No.14 )
- 日時: 2010/12/13 16:19
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
暫くして友弥がやって来て俺らはゲームをして遊んでいた。
友弥が家に来た時は丁度三時半で、今はもう四時半になり、丸々一時間経っている。
格闘ゲームなる物で友弥の使っているキャラをボコボコにした後、菓子を食べながら雑談をしていた。
「なぁ……あの声、何だったんだろうな」
「…………さぁ」
チョコレートを齧りながら友弥が言う。それで俺はあの声の存在を思い出した。
———高い声からして多分女。それも、年齢もかなり幼い気がする……。
同じくチョコレートを齧りながら、俺は首を傾げた。
そう言えば、あの声には何処か覚えがあったのだ。
とは言え、感覚的にそうと言うだけで、実際誰の声なのかは全く知らない。
ふぅ、と溜息を着いて机に置いてあった残り半分のカフェオレを一気に飲み干す。カフェオレは温かった。
「何か聞いた事のある声なんだよなぁ……」
「あ、お前も? 実は俺もなんだけど」
「へぇー……何か偶然だな」
俺が聞いた事がある、と呟くと友弥は床に座りながら大きく頷いた。
意外な親近感を感じた俺は微笑みながら左手を顎に当てる。
……一体、誰だったんだろうか……。
しかし、そんな疑問は色々な意味で解決する事になった。
「と言うかまた格ゲーやろうぜ! 今度こそ——————」
パリィィィィィィィィン!!
友弥の言葉が硝子の割れる鋭い音で遮られる。
何とか右手で顔を覆い、自分の身を庇う。
友弥は大丈夫か……?
そんな事を考えつつ手を退けた。硝子は粉々に割れて破片が床に落ちている。
辺りを見回すと友弥は俺の隣に居て、同じく顔を庇っていた。
……良かった、無事だったか。
そんな事を思いつつホッと溜息を着く。
のも、束の間だった。
「ようやく見つけましたよ……」
聞き覚えのある……先ほどの女の声がした。
何かと思い声の聞こえた方、窓の外を友弥と共に見に行く。
そして窓の外へと行った瞬間、その女らしき少女が居る。
白色に近い薄い水色の腰まである髪に、空色の瞳。少なからず日本人にはありえない容姿の持ち主だった。
そして微笑みもせず、無表情でこちらを虚ろな感じのする瞳で見つめている。
……見つけたって、俺達を?
そんな事を思いながら、特に発せられる言葉が無くただただ黙り込んでいた。
すると、幸いな事に少女が勝手に話し出す。
「私を救う者達……」
“私を救う”
その言葉には何故か異様な程のデジャヴを感じた。
友弥もそう思ったのか、唖然とした表情をしている。