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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 孤塔の少女 オリキャラ募集中です ( No.24 )
- 日時: 2010/12/13 16:27
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
「は……?」
お前、誰?
とかそう言う事を聞くよりも唖然としてしまった。
友弥も同様だったが、少女のみ表情おろか眉一つ動かさず俺らにその白い左手を差し伸べる。
今度は何なんだよ、と思いながらその少女をじっと見つめていた。
言葉は何故か出て来ない。しかも自分の心の何処かがこの少女に怯えている。
……馬鹿馬鹿しい。大体会ったばかりの女に何で怯えてるんだ?
心の中で怯えている(らしき)自分を馬鹿にしつつ、少女を見据えた。
すると少女はこちらを見上げ、何処を見ているのかわからない虚ろな雪色の瞳が俺を映す。
そして、漫画で見るような何かの任務の報告をするかのように淡々と話し始めた。
「説明は後。……と言うより記憶を失っているのね。貴方は私を知っている筈よ」
……俺が記憶を失っている?
突然そう言われピンと来なかったがとりあえず黙っておく。
どんなに試行錯誤してもこの少女と会った覚えなど無いし、本当に忘れているのかもしれない。
……あまり、信じたくは無いけど。
俺は溜息を着きつつ友弥をちらりと見る。
友弥も複雑な表情をして、少女を見ていた。
「良い? ……私を助けて……」
と、少女が言った途端に少女を纏うかのように蒼白い光がこちらに向かって炸裂してきた。
何なんだよ一体……!!
驚きのあまり叫び声をあげるのも忘れて身を庇う。
少女の言った言葉が、やけに頭に響いている気がした。けれどどうでも良い。
目の前の光が眩しすぎて自分を庇うのに必死だったから。
そしてゴゴゴゴゴ……地の底から震え上がるような音が聞こえ、その音の恐ろしさに、叫んだ。
「うあああああああああああああっ!!」
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