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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 嘆キノ壁〜ソロモン72柱〜 オリキャラ募集開始! ( No.13 )
- 日時: 2010/12/13 16:56
- 名前: ネクロフィリア ◆vVVAk74uXk (ID: BcdVt4VG)
Ⅰ-Ⅳ「ドイツ帝国陸軍大尉」
今朝、ドイツ帝国軍に一件の連絡があった。
“フランスの悪魔の基地に爆弾投下。恐らく死亡したと思われます。
ですが、ミカエル少佐が巻き添えを食らった可能性があります”
と。それを聞いて、私はすぐに飛んで行った。
フランスのナルボンヌの小さな村まで戦車をとばして、道中気が気でなかった。
ミカエル少佐は無事なのだろうか。お怪我はないのだろうか───。
やっとナルボンヌに着くと、急いで車を降りて教会までの道を走った。
教会は爆撃の凄まじさを物語っていた。跡形もなくボロボロに崩れている。あるのは、右目のない女神像だけ。
「少佐……。少佐!!」
教会の周りで少佐の名前を叫ぶ。どれだけ叫んでも答えはない。
悪魔と共に散ってしまったのだろうか。まだこれからいくらでも開花する才能は……。
果ててしまったのだろうか。密かに思慕するあの女性は……。
どれだけ叫んでも返事のない事に頭を垂れ、あの女性の笑顔を思い出す。
こんなところで散ってしまったのなら、本当に惜しい才能だ───。
「───大尉?」
と、聞きなれた愛しい声。急いで振り返ると、美しい赤毛を持った少佐の姿。
傷一つなく、手にはパンを3つ抱え、牛乳を持っていた。
「少佐! ご無事ですか!?」
思わず少佐の肩を掴んでしまい、しまったと思い、急いでその腕を下げる。
「ええ。もしや、連絡が……?」
と、不安げな顔をした少佐。きっと部下の事を心配しているのだろう。
「はい。今朝連絡が。部下の皆は心配せずとも、無事帰還いたしました」
その報告を聞いて安堵の笑みを浮かべた少佐はこう語りだす。
「私は、悪魔に助けてもらったの───」
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