ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 忘却の金曜日 オリキャラ募集中です ( No.14 )
日時: 2010/12/15 21:13
名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)

その後先生が出て行って僕と真白さん達の三人でお話をしていると、ある人が入って来ました。
藍色のポニーテールに綺麗な緑色の目。もしかしたら僕を知っている人なのかもしれません。


「あ、狢ちゃん来てくれたんだ」
「いらっしゃい……っておかしいか」


真白さんは狢さんと言う人に手を振りながら笑っていました。
良くは分からないけれど、葉月さんも手を振っているから多分お友達なんでしょう。
僕は狢さんの事を知らなかったので名前を聞いてみました。


「……狢……さん?」
「あぁ、忘れてるんだっけ? 私は坂下狢」


そう言って狢さんは表情を変えないで僕の近くにあった椅子に座りました。
怒ってるのかな、と思ったけれど喋り方は怒っていないのでちょっと安心してます。
それから狢さんも会話に入って僕達は楽しいお喋りをしていました。


「あれ……? もう五時か〜」


真白さんがふと時計を見てからそう言って自分の鞄をごそごそと漁っていました。
もう、帰ってしまうのでしょうか。僕はちょっぴり寂しくなってきました。

……でも、僕が忘れなくならなければ学校に行けて、真白さん達とも居られる。


「あ、夕ごめん。私達もうかえ…………」


僕は気が付けば、真白さんの服の袖を掴んでいました。
寂しい気持ちが無意識に抑えられなかったのかもしれません。
一応どうして掴んだのか話した方が良いかな、と思って僕は思った事を言ってみました。


「また…………来てくれますか……?」


僕が凄い悲しそうな顔をしていたのかもしれません。真白さんが悲しそうに微笑んでいました。
そしてちょっとだけ身体を起こしている僕に目線を合わせてから頷いてくれます。


「うん。来るよ……明日もすぐ来るし」
「そうそう、うちも来るよ〜」
「……一応私も」


真白さんの次に葉月さんが、葉月さんの次に狢さんがそう言ってくれました。
僕はそれが嬉しかったので思いっきり笑って、手を振っていました。
……ちょっとだけ寂しかったけど、我慢します。
それで、すぐに真白さん達が出て行くと一人になってする事が無くなりました。
なので時計を見ていると僕の暇を無くすようにまた誰かが入ってきます。


「夕!!」
「おっと……あ、今は初めまして……かな?」


僕の名前を大きな声で呼んで凄い心配そうな顔で僕を見ている人と優しそうな人が来ました。
誰だろう……。
僕がそんな事を考えていたら、優しい方の人が説明してくれました。


「俺は大倉雅。……お前の住んでる家の隣に暮らしてる」
「あ、俺は遠峰蒼。信じにくいかもしれないけど、お前の従兄弟」


そう言うと二人ともにっこり笑っていました。
蒼さんが従兄弟だと聞いて何故かとても嬉しかったです。