ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 忘却の金曜日 参照400突破しました!! ( No.147 )
- 日時: 2011/01/07 16:54
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
——————お前なんか死んじまえ! 消えちまえ! 人殺し! 人殺し! 人殺し! 人殺し!
違う。僕は、人殺しなんかじゃない。
さっき叫んだ僕の言葉は僕の言葉じゃない。嘘だ。
だって僕は人なんか殺していないよ? 手だって、赤くなんか…………ない。
そ 人
う 殺
だ し
よ だ
ね よ
?ね
—————————————————————————————。
「………………」
僕は一体何をしてしまったんでしょうか。目を覚ますと、何故か知らない人達が泣いていました。
一人は茶色い髪で眼鏡をかけた人で、もう一人は青い髪に青い目の人です。二人とも、何処か悲しそうに見えます。
さらに僕の腕に包帯が巻かれていて、昨日まで置いてあった花瓶も、花もなくなっていました。
そして僕が目を完全に開けると、茶色い髪の人が心配そうな表情で話しかけてくれました。
「夕君! 大丈夫ですか!?」
「え? あ……貴方、は……?」
「…………僕は七瀬馨。君の家の近所に住んでます」
そう言って馨さんはにっこりと笑ってくれました。それにつられて僕も自分でも分かるくらいにっこりと笑っていたと思います。
……どうして、僕の手に包帯が巻かれているんだろう。
僕はまだにっこりと笑っている馨さんを見ながら、ちょっと聞いてみました。
「あの……僕の手に何で包帯が巻かれてるのか……知っていますか?」
「え? あぁ、その……何て言えば良いんでしょうね」
「…………後で涼也に聞いてみろよ」
「あ、はい…………えっと……」
青髪の人の名前が分からなくて戸惑っていると、青髪の人は宗弥だ。と自分の名前を教えてくれました。
「宗弥さん、ありがとうございます」
僕がそうお礼を言うと宗弥さんは小さく頷いてから何故かそっぽを向いてしまいました。
馨さんも戸惑っている様子で、また僕が何かしてしまったのかな、と心配になってきます。
……多分、してないと思うんですけど……。
そんな事を考えていたら、やや乱暴に扉が開きました。浪森先生でしょうか。
馨さんと二人で(宗弥さんは窓を見てました)扉を見ていると、其処にはやっぱり浪森先生がいました。
「あれ? 浪森先生、どうし……「夕」
ビクッ、と僕は自分の肩が震えているのを感じながら浪森先生を見ました。何処か怒っている様子です。
本当に僕は何をしてしまったのかと考えようとした瞬間、
浪森先生が僕の胸倉を掴んできました。