ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 忘却の金曜日 参照400突破しました!! ( No.160 )
- 日時: 2011/01/07 22:32
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
十二月九日。水曜日。
「夕、涼也に酷い事されなかったか?」
「あ、はい……大丈夫です」
今日は昼から僕を知っている長瀬空斗さんと言う人がお見舞いに来てくれました。
何でも、浪森先生が空斗さんの親代わりをしているらしいです。
それで僕に凄く優しくしてくれて……良い人だと言う事が凄く良く分かりました。
「アイツが夕に何かしそうだったら教えてくれよ」
「わ、分かりました……でも、どうしてですか?」
さっきから空斗さんは何故か浪森先生に冷たい感じの言葉を言っていて僕は不思議に思ってます。
それで首を傾げながらそう聞くと、空斗さんは親指を上に、人差し指を横にして鉄砲のポーズを作りながら
「俺が殺すから」
と言いました。
あまりの剣幕に僕はちょっと怯えながらすぐに頷いてしまいました。
……浪森先生に後で謝らないとなぁ。
と、そんな事を考えていると空斗さんが僕に関する事をいろいろ教えてくれました。
空斗さんは僕の事を色々知っていて、何で知ってるのか聞くと
「昔から……惚れてるから」
と言いました。
惚れてる、の意味が良く分からないけれど多分良い意味だと思います。
真白さんとかなら知ってるかもしれません。
あ、そう言えば真白さんの事知ってるかな……。
「あの……」
「何?」
「真白さんって、知ってますか?」
…………。
あれ?
何か突然、空斗さんがさっきみたいな恐ろしい剣幕を出していました。
僕何か変な事を聞いてしまったんでしょうか……?
「あn「知らない。夕以外の奴、興味無いから」
…………僕以外興味が無い?
何か不思議な言葉を何回か聞きながら、空斗さんと話をしていました。
そして暫くしてから空斗さんが椅子から立ち上がります。
「……物凄く嫌だけど、今日アイツの飯を作る日だから……帰る」
「あ、はい。凄く楽しかったです」
僕がそう言うと空斗さんはちょっと嬉しそうに笑って、小走りで病室を出ました。
……今日は何をしようかな。
ふと僕が水色の空に浮かぶ色んな形の雲を眺めていると、
「ッ……」
頭が突然、熱くなりました。