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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 忘却の金曜日 参照500突破しました!! ( No.170 )
- 日時: 2011/01/08 09:18
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
「夕っ!!!」
夕がベッドから落ち、私が慌てて馨とで夕をベッドへと上げる。
夕の身体がビックリするほど冷たくて、突然私の脳裏にある一つの思想が浮かぶ。
“記憶が戻った……?”
震えている夕を見て、私はあの日病院へ搬送されて目を覚ました夕を思い出した。
あの日の夕の記憶が戻ればそんな風になるんじゃないかと、勘で思う。
「あ、あ……ましっ、真白さん……」
「夕!!」
ボンヤリと宙を見ている夕の目が私を捉え、私の肩をがっしりと掴む。
何があったのか……突然の出来事に自分自身の収拾がつかない。
「あの、日……真白さんと葉月さん、が……僕の……い、えに……来てくれまし、た……?」
「!!?」
…………記憶が戻ってる……!!
私は驚きのあまり夕に色々問い詰めたかったが、流石に出来なかった。
とりあえず頷いて疑問は心の中に留めておく。
「真白さん、夕さん……」
「うん。…………記憶が戻ってる。何でかは知らないけど」
一応あの日みたいに建前は平静を装い、頷いた。
するとドアが乱暴に開き浪森先生が入って来る。
「夕!!」
「…………浪森先生」
いつもならスルーしそうな浪森先生が私の顔をじっと見る。
私は決心して、話し始めた。
「夕の記憶が戻ってます」
「…………何だって?」
——————カウントダウンが始まった。
第四話 終
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