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Re: 夜明けの銀河は支離滅裂 ( No.9 )
日時: 2010/12/17 17:43
名前: Giraf ◆yFWCdky9Fs (ID: 7KvZCID9)
参照: 名前は、デンマーク語で麒麟。

第六話 【ハプニング】


…静かだ。
騒がしいネアとは違って、美しい情景が視線を奪う。
耳が、まだ騒がしさと静けさの違いに慣れていないのか、キーンと音がする。
トムも同様らしい。

「ネアは五月蝿かったからな… 耳鳴りするのも当然だな…」
トムが、しかめっ面でそう言う。

「あ、キース… あっちに何か見えないか?」
トムがそう言うと、左の方向に指を指す。
確かに、“何か”は見えた。
しかし、それが生きている者なのかは分からない。
…近づいてくる? 徐々にその物体が大きくなって行く。
近くに来た時、何かわかった。

「に、人間?」
トムが怪訝な顔で顔を傾ける。

確かに、人間といわれてみると人間だ。
しかし、人間じゃないと否定されても、納得してしまう。

キースはそっとその“人間”に近づく。

ただ、緊張が走る。

生唾が喉を通り、人間は窓を叩いた。

コン....コン....
ガラスを腕で叩く音。

「……仕方ない 開けるか。」
キースはそう言い窓を開ける。


「やあやあやあ! 私の様な妖精を宇宙船に入れてくれてありがとうねぇ!」
金髪の自称妖精…見た目は20歳後半と言った所か。
「キース 出せ。」
トムは、呆れた表情でそう言う。

一つの天災が宇宙船に乗船した。