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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 人形ならば誇りを見せよ。人間ならば救えよ ( No.10 )
- 日時: 2010/12/15 21:22
- 名前: ネクロフィリア ◆vVVAk74uXk (ID: OeXJRIuY)
Ⅰ 囚われた人形を救うのは人間
1-1「窓を割って」
俺は九谷 秋人。普通に学校に通う、普通の人間。
勉強も運動もできる方。彼女なんて存在はいない。
「秋人おはよー」
「おはよー」
普通に学校に行って、普通に友達と遊んで。普通すぎて退屈するほど普通。
でも、この普通は幸せ。今、争い事がない事が普通であって幸せ。
そう考えると、普通とは何よりもありがたい。
普通に授業を受けて、俺は帰宅部だから学校が終わったら真っ直ぐ家に帰る。
家だって普通の一軒家。普通じゃないのは、今まで違う名字の人たちと一緒に住んでいた事。
そう、俺の両親は小さい頃に死んだ。両親の記憶なんてあまりない。
「ただいまー……」
誰もいないのに、そう言うのが癖になっていた。誰もいないか、と苦笑しながら宿題を始める。
数学で難しい所があったからよく復習しているともう6時30分だった。
夕食を作ろうと思って立ち上がる。ここまでが、俺の普通の日常。
「で……。君たちは何をしに来たのかな?」
夕食を作ろうと思って立ち上がったところ、窓が割れる音がした。
そして振り向くと、顔面に鞄のようなものがクリンヒット。鞄を開けると、薔薇のような女の子。
そして足元に転がっていたもう一つの鞄を開けると、また女の子がいた。
「九谷秋人。わたしたちを救うのは貴方だけなの」
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