ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 銀髪の少女は死神 ( No.4 )
日時: 2010/12/18 14:11
名前: チョコアイス (ID: 8Zs8HT.V)

【1章 銀髪をなびかす死神】 1話


春が過ぎ少し早くやって来た夏のある日の夜。

銀髪を風に揺らしながらビルとビルの間の小道を歩く少女が一人。

その少し後ろに男が一人。

実はこの男 街を少し騒がせている連続殺人犯。
つまり少し先を歩く少女は今のターゲットという事。

男は静かに少しずつ少女との距離を縮めて、タイミングを見計らって走り出した。
背中に隠した包丁を取り出しながら。

15m……10m……5m……

少女と男の距離は一気に詰まり、遂に男は包丁を振り上げた。
そして そのまま少女の背中に振り下ろそうとした時、少女が振り返る。

白い肌で、整い過ぎたぐらい整った顔。
右目は藍色 左目は紅色。
綺麗な対照のオッドアイ。

当然 少女と男の目が合う。

その瞬間、男の動きが止まった。
少女の目の前で包丁を振り下ろそうとする姿勢で止まった。

否 動きたくても動けないのだ。

答えは単純。
少女が動けなくしたのだ。


死神の力を使って。