ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 鬼に惑わされし者 ( No.43 )
日時: 2011/01/06 21:50
名前: 愛鬼茱萸 (ID: CsDex7TB)

イメージソング?の歌詞です。
初音ミクの歌ですね…

【鬼ノ棲ム森】

唄:初音ミク
「赫イ片眼(め)ヲシタ<奴>ハ鬼ノ子」
忌み嫌われて他人(ひと)を憎んだ
宵に紛れて 独り啼いてた
誰しもが耳を塞ぐ中

背中に近付く小さな影
恐れを知らぬ無垢な眼差し
睨みつけても牙を剥いても
優しく頭を撫でてくれた

初めて触れたヒトの温もり
零れ落ちる大粒の泪
乾かす様に吹く一陣の風に
揺蕩う髪が甘く馨っていた

夜が来る度 逢瀬を重ね
真白な笑顔に救われていた
永久に思えた刹那を裂いて
紅蓮の光りが闇を燃す

「誑カシタルヤ白夜ノ巫女」
怨み辛みを吐く男達
「穢レシ者ハ灰ニ還レヨ」
老婆が手合わせ鬼を呪う

何が何だか解らない儘
奔り抜ける燃え盛る森
清めの湖(うみ)に辿り着いた時
ふと見上げた空には月さえもなく

畔に佇む影ひとつ
ぽつりぽつりと唄 口遊む
「現世ニ<鬼>ガ存在スル(いる)ノナラ
其レハ<人ノ心>デショウ」

光り失くしたその眼は赫く
脚を伝う緋色の雫
「決シテ誰モ悪クハナイノ」と
呟いた聲は静かに震えた

怒りに狂い 嘆きに堕ちて
真の鬼へと化す前に
共に沈もう 手の届かぬ水底へ
哀しみだけそっと溶かす様に…