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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鬼に惑わされし者 ( No.9 )
- 日時: 2011/11/09 20:24
- 名前: 愛鬼茱萸 (ID: lkF9UhzL)
≪出会い≫ 続き…
驚いたように子供は顔を上げる。その顔を見て僕も固まった。
…有り得ない程整った顔がそこにはあった。ふんわりとポニーテールをした黒い髪に少したれぎみな大きな目。すっと通った鼻筋に紅い唇。出来すぎた人形のような美しさを放つ子供。僕は気圧されつつも子供に声をかけた。
「何をそんなに泣いているのだ?…その…苛められたのか?」
「…泣いてない!!!」
「泣いてないって…涙ぼろぼろ零す奴の言うことか?」
そう言われ子供はごしごしと目をこする。キッとこちらを睨むともう一度泣いてない と強気な声で言った。さっきまで泣いていたんだからそんなことしても意味ないと言うのに…。第一泣きはらした目元や今も頬を伝う涙は何なのやら。
僕は呆れつつもその子供のそばに座る。はいはい、と頷きながら子供の頭を撫でてやろうと手をかざした。
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