ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 『神旅。』 用語集&6話UP ( No.17 )
- 日時: 2010/12/29 08:21
- 名前: 空駆ける天馬 (ID: U3CBWc3a)
- 参照: http://用語集完成しました。
【第6話 謎の3人組襲来】
始業式は1時間弱で終わり、生徒たちは校舎の隣にある体育館から戻っている最中であった。
そんな平凡な光景を、体育館の屋根から1人の男性が眺めている。
「え〜っと…………名前何でしたっけ?」
男性は水色のパーカーにサスペンダー付きのジーパンを着ており、見た目は高校生ぐらいの男である。
男の後ろから、不気味な紫色の天然パーマでスーツを着た男が現れた。
「星宮十郎。星の神コヨルシャウキが憑いているらしい。分かるか?」
「無理っすよ。生徒は何百人もいるし、顔すら分からないんだから。」
「コヨルシャウキは一目で分かるでしょ♪」
眺めていた男の隣に風の様に表れた女性。黒いロングスカートに黒いシャツ。ショートヘアーが似合っている。
「あのですね……僕はまだ配属されて3カ月です。特に訓練も特訓もしてないんですよ。」
2人に敬語を使う法堂天次郎は、ため息交じりに言う。
「ジャスパー、あなたが探し出して。」
「てめぇが探せよ、プリムローズ。」
ジャスパー・ロイドは、舌打ちをしながら法堂を睨みつける。
それを見ていたアニー・プリムローズは、法堂を後ろから抱きしめながらジャスパーを睨みつける。
「こんな可愛い新人を困らせないでくれる?」
「てめぇ……この任務が終わったら殺してやるよ。」
「ちょ……先輩……」
ジャスパーとアニーは睨みあっていたが、ここで法堂が何かに気付いて2人の仲介をする。
「先輩!!あれ見てください!!!」
法堂が指さした場所は、生徒たちではなく正門の方であった。
2人が門の方を見ると、門からコヨルとテミスがちょうど入る所が見えた。3人は顔を見合わせる。
「見つけた。良くやった天次郎♪」
アニーは法堂の頭を撫でながら立ち上がる。法堂は恥ずかしくて顔を真っ赤にしている。
「コヨルシャウキは俺がやる。お前らは隣の神を拘束しろ。殺すなよ。」
ジャスパーはそう言うと、両手を合した。
「我が身に宿りし融合神“クエレブレ”。コーラーせよ。」
掛け声と共に、ジャスパーの背中からスーツを突き破って鳥の様な羽が生えてきた。
更に、皮膚が鱗に変わり、ジャスパーの吐息が紫色に変わる。
『俺は空から行く。』
ジャスパーはそう言うと、羽を羽ばたかせて上空へと飛び立った。
「じゃあ、私たちも行くわよ。」
「はい。」
法堂とアニーは同時に両手を合した。
「我が身に宿りし融合神“クルースニーク”。コーラーせよ。」
「わ、我が身に宿りし融合神“メルセゲル”。コーラーせよ。」
アニーは掛け声と共に糸切り歯が伸びていき、着ていたシャツがマントに変わっていく。
血色が無くなり、耳も変形していき、その姿はヴァンパイアといってもおかしくない姿となった。
法堂は下半身の足が蛇の様な姿に変わり、手の爪は鋭く伸びる。そして、アニー同様、糸切り歯が伸びた。
『私も上空から行くわ。天次郎、頼んだわよ。』
『了解しました。』
天次郎は目標であるテミスを睨むと、そのまま体育館の屋根を蛇のようにスルスルと移動していく。
一方、上空にいたジャスパーは、アニーと合流した。
『5遁神魂、コヨルシャウキの討伐を始める。行くぞ!!!』